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ブレーキFAQ

このコーナーではブレーキに関するFAQについてご紹介します。
もし、ブレーキで困った事があったら信頼できる整備工場で整備される事をお奨めします。ネオストリートでは曙ブレーキ工業株式会社より委託を受けて信頼できる整備工場を”整備工場ナビ”でご紹介しています。

整備工場ナビは こちら から。

(5/9更新)

Q 1 早いもので今のクルマに乗り始めて10万kmを走破しました。ブレーキは、重要保安部品なのでメンテナンスが必要ではないかと思いますが、どのようなところがポイントですか?

Q 2 サイドブレーキを戻すのを忘れて走行してしまい気付いたときにはホイールが高温となってしまったのですが、何か問題が発生しますか?

Q 3 リヤがディスクブレーキ(サイドブレーキ内蔵タイプ)の場合、サイドブレーキの効きが弱いのはなぜですか?

Q 4 マスターシリンダーストッパーのメリット・デメリットは?

Q 5 車種によってキャリパブレーキの取付位置が前と後があるのはなぜ?

Q 6 最近ブレーキペダルの遊びが大きく、かなり深くまでブレーキペダルを踏み込まないと必要な制動力が得られなくなりました。これは経年劣化によるものなのでしょうか? ちなみにブレーキパッドの摩耗を警告するセンサーは作動しておりません。

Q 7 ベーパーロックを防ぐ為には?

Q 8 最近高速、低速問わずにブレーキを踏むとジャダー(ペダルを踏んだ足へ振動が伝わる)が発生します。どのようにしたら解決できますか?

Q 9 ABS(アンチロックブレーキシステム)は、ブレーキを掛けたときに車輪がロックしないようにコンピューターによりブレーキに掛かる油圧を増減させて滑りやすい路面でも最短の距離で止めようとします。いわゆるポンピングブレーキ(自動車教習所で習いましたよね!)を機械的に行うものです。さてその際、1秒間に何回ポンピングを行うでしょうか?

Q10 ブレーキホースを金属製のメッシュ巻きのタイプにするとブレーキの効きが高くなりますか?

Q11 ノックバックという言葉の意味は?

Q12 雨の多い季節や、寒い時期に朝ブレーキ踏んだ時だけ、ブレーキ鳴きするんだけど…、始動後一回目のブレーキだけ効き過ぎる!!などなど…。なぜこのような現象が増えるのでしょうか?

Q13 峠を下りてきてブレーキが加熱したため、早く冷やす為にブレーキに水をかけても大丈夫ですか?

Q14 ディスクローターの錆は効きに影響がありますか?

Q15 乾燥路面(通常の舗装路)と圧雪路・凍結路では、どの位制動距離が変わりますか?

Q16 穴開きディスクローターのメリット・デメリットは?

Q17 スリット入りディスクローターのメリット・デメリットは?

Q18 ブレーキパッドの寿命はどのぐらいですか?

Q19 ブレーキパッドは減りますよね。何で減るんでしょう。摩擦が生じれば、消しゴムや鉛筆と同様に削れて減っていく物ですが、パッドの摩耗と使用状況(乗り方、環境など)は非常に繋がりが深く、特に摩擦表面の温度との関係はパッドの寿命に直結してます。さて、実際街乗りで使用する温度域はどの位でしょうか?

Q20 スポーツタイプのブレーキパッドを交換する際、フロントのみの交換で問題ありませんか?

Q21 スポーツパッドが鳴き易いのはなぜ?

Q22 スポーツパッドがディスクローター面を攻撃するのはなぜ?

Q23 ブレーキパッドの摩擦面の角に面取りがしてあリましたが目的は何?

Q24 レース用のブレーキパッドを付けたのに効きが変わらないと感じてしまうのは何故ですか?

Q25 定期交換部品として車検毎に交換するブレーキフルードですが、蓋がついているにも関わらず汚れ(変色)てしまうのはなぜですか。また交換しないとどのようなことになりますか?

Q26 ブレーキフルードの交換は、車検時のタイミングで交換すればよいのでしょうか?

Q27 なぜブレーキフルードの量は減少するのでしょうか?

Q28 ブレーキフルードの注ぎ足しはOK?

Q29 ブレーキの構成部品には、ブレーキホース、ダストブーツ、シールetc.結構な数のゴム部品が使われています。これらゴム部品が劣化してくるとどうなってしまうでしょうか?

Q30 ブレーキまわりのゴム部品に鉱物油系のオイル・油が付着するとどうなりますか?

Q31 ブレーキフルードの成分は何系ですか?

Q32
ブレーキフルードには、その性能を示す規格(ドライ沸点・ウェット沸点)によりグレード(BF3、BF4(DOT3、DOT4と呼ぶものもあります))があります。そのグレードの異なるものを混ぜても問題はないでしょうか?

Q33 ブレーキフルードが塗装面に良くないと聞きますが、それはなぜでしょうか?

Q34 ブレーキを点検したところ、通常はアウター、インナーともにほぼ同様に摩耗して行くはずが、なぜかパッドのアウターとインナーで摩耗に大きな差がついていました。このままだと摩耗の早いほうが使用の限界に達したらまだ使える側も同時に取り替えなければならずちょっともったいないような気か・・・ でも、どうして均等に摩耗していかない事があるのでしょうか?

Q35 ブレーキパッドの摩擦材のところにスリット(溝)があるものと無いものがありますが、大部分のディスクパッド表面には中央部にスリットが入っています。このスリットの役目は何?

Q36 ディスクブレーキは、ディスクローターをパッドで挟んで止めるのでディスクローターとパッドは擦れ合いディスクローターの表面は綺麗な金属面となりホイールの隙間から見えるときがあります。さてこのディスクローターですが、ホイールの中を覗いて見たところ、いつの間にかレコード盤(知っていますよね!)のような傷(摺動方向に平行)が発生!一体原因は何?

Q37 ブレーキパッドの交換時期について、点検時に半分以上の摩耗が確認されたら交換を勧められるました。半分あればまだ使えると思いますがなぜ?

Q38 新品パッドへ交換したのにブレーキが鳴くのはなぜ?

Q39 冬から春に掛けてタイヤをスタッドレスからノーマルタイヤに交換する際に、ディスクローターを見ると、表面に黒い斑点が・・・?!この斑点の正体は何?

Q40 冬真っ盛りの時期。雪の季節、路面も冷えてますし日陰に入れば時には凍っている事も・・・そんな時にブレーキを掛けて「止まらない〜」という経験をしました。車両を止める為に必要不可欠な要素とは何?ちなみに「車両を止めるのはブレーキ」だけではありません。

Q41 山道を下る時、必然とブレーキを使う頻度が増えますが、エンジンブレーキを効かせて下る場合とエンジンブレーキを使わないで下るのでは、どの位、ブレーキに掛かる負担は変わりますか? 

Q42 ブレーキフルードを購入される際、基準とする項目として「DOT規格」「BF規格」があり、ラベルを見ると「ドライ沸点・ウェット沸点」が記載されています。
(沸点:ブレーキフルードの耐熱性・性能をします。)
さて、ドライ沸点・ウェット沸点とは何ですか?

Q43 深い水たまりなどを通り、浸水したあとのブレーキの効きはどうなってしまうでしょうか?

Q44 80〜100km/hからブレーキをかけた時にブレーキペダルに軽い振動が伝わるようになりました。この不快な振動の要因は何ですか?

Q45 クルマを運転しているときの携帯電話使用に対する罰則が制定され大分時間が経過しますが、普通に運転をした場合と注意力散漫な運転(携帯電話で通話中)をした場合ではどの位反応が遅れますか?

Q46 山道を下るときは、エンジンブレーキを極力使いながら下ると教習所で習いましたが、ブレーキを酷使してしまい温度が上がってしまったときに止まって一休みするべきでしょうか?

Q47 ブレーキフルードの働きはペダル操作した力を伝達する役目をしていますが、なぜ、ブレーキフルードでなければいけないのでしょうか?

Q48 ブレーキパッドは消耗品であることがわかりますが、ディスクローターも消耗品ですか?

Q49 乗用車のブレーキでは、ドラムブレーキは、小型車以下のリヤにしか見られなくなってきましたが、トラックのブレーキの主流はドラムブレーキが主流となっているのは何故でしょうか?

Q50 ブレーキの温度ですが、実際街乗りで使用する温度域はどの位でしょうか?

Q51 ディスクブレーキのパッドとディスクローターの隙間が、摩耗によって広がることはないですか?

Q52 ブレーキシステムが故障した場合のフェールセーフはどのようになっていますか?

Q53 ブレーキパッドの寿命はどのくらいですか?

Q54 ブレーキパッドを長持ちさせる方法はありますか?

Q55 ブレーキパッドに使用期限はありますか?

Q56 新品ブレーキパッドに交換したとき、焼き入れは必要ですか?

Q57 ブレーキパッドの鉄板についているシム(薄い板状の部品)の役割は何ですか?

Q58 ABS(アンチロックブレーキシステム)を装着しているクルマを運転するときに気をつけなければならないことはありますか?

Q59 ブレーキの効きがもう少し高くなって欲しいのですが、ブレーキの効きを良くする一般的な方法はありませんか?

Q60 スポーツパッドに交換しようと思いますが、交換してしまうとABSの働きは変わりますか?

Q61 日本車と輸入車では、ブレーキのフィーリングが全然違いますが、このような違いはどうして起こるのですか?又、輸入車はものすごくホイールが汚れるのですが、日本車とどのように違うのでしょうか?

Q62 車輌重量の重いSUVやミニバンにおいては、前輪のブレーキパッドの減りがリヤに比べて早いようですが、なぜですか?

Q63 ブレーキ警告灯が点灯したのでサイドブレーキの戻し忘れかと思いサイドブレーキを戻した事を確認したにも関わらず点灯しっぱなしとなりました。壊れてしまったのでしょうか?

Q64 ブレーキパッドの交換時期ですが、鉄板に張ってあるライニングぎりぎりまで使って大丈夫ですか?

Q65 ディスクローターは、1枚のものと2枚を張り合わせたものがありますがその違いは何ですか?

Q66 ディスクローターには摩耗限度がありますか?

Q67 サーキット走行会に参加したところディスクローター表面に小さなひびがたくさん入ってしましました。なぜ?

Q68 緊急の場合パーキングブレーキでクルマを止めることができますか?

Q69 ABS(アンチロックブレーキシステム)の車速を算出するセンサーはどこについているのですか?

Q70 ブレーキが鳴いたときの対処法はありますか?

Q71 ブレーキバイワイヤとはどういうものですか?

Q72 ブレーキのブースターとはどのような働きをするのでしょうか?

Q73 ブレーキアシストという言葉をカタログで見ました。一体どういうものですか?

Q74 ブレーキを掛けたときの車輌の安定性を確保するために、ブレーキ配管の途中にプロポーショニングバルブという部品があると聞きましたが、その役目は何ですか?

Q75 最近EBDを装着しているとクルマのカタログにありましたが、一体何ですか?

Q76 滑りやすい路面での発進や加速時に過剰な駆動力によるホイールスピンを抑え、車両の安定性を高めつつ駆動力を確保するシステムとしてトラクションコントロールがありますが、エンジンを制御してコントロールするものとブレーキを制御してコントロールするものがあるようですが、どのような制御ですか?

Q77 従来のクルーズコントロールと言えば、アクセルから足を離しても設定した速度を一定に維持するため、エンジンの出力を制御するものが一般的ですが、最近はブレーキ制御も使われているものがあると聞いたのですが、どのようなものですか?

Q78 国土交通省が主導してASV(先進安全自動車)プロジェクトの中で衝突速度軽減ブレーキシステムというのがあると聞いたのですが、どのようなものですか?

Q79 通常のクルマはブレーキをかけて減速するときに、走行中の運動エネルギーをディスクブレーキなどの摩擦ブレーキにより熱エネルギーに変換していますが、そのエネルギーを回収する研究がされていると聞きました。どのようなものですか?

Q80 ブレーキパッド交換を行うときに、パッドが摩耗した分だけ飛び出したピストンを戻す作業が必要ですが、最近の輸入車と最新の国産高級車の一部にはそのピストンを戻すために専用のテスターを使わないとできないものが登場したと聞きましたがどのようなことですか?

Q81 以前、日本車と輸入車のブレーキフィールの違いについてパッドの特性が上げられましたが他の要因はありませんか? (参考 Q61)

Q82 2輪車用のディスクローターは雨に濡れても錆びませんが、4輪車のディスクローターは錆びてしまいます。材質による違いと思いますがどのようなものが使用されているのですか?

Q83 ブレーキ鳴きがし難いディスクローターがあると聞きましたが、どのような材質ですか?

Q84 軽量化の観点からいうとアルミ材質のディスクローターが採用されてもいいと思いますが技術的に難しい課題がありますか?

Q85 ブレーキまわりを自分で点検する際のポイントを教えて下さい?

Q86 トラックに装備されているエキゾーストブレーキ(排気ブレーキ)とは、どのうようなブレーキですか?

Q87 トラックに装備されているリターダとはどういったものですか?

Q88 大型トラックのブレーキ倍力装置にエアオーバーハイドロが使われていると聞きましたがどういうものですか?

Q89 走行しているときにホイールの辺りから「チッチッー」という甲高い音が出るようになりましたが、原因は何ですか?

Q90 納車されたばかりの新車なのにブレーキが鳴きました。暫く乗っていると鳴かなくなりました。なぜでしょうか?

Q91 ブレーキパッドの交換は誰にでもできますか?

Q92 ブレーキ部品でグリースアップすべき箇所はありますか?

Q93 ブレーキパッドの素材はどのようなもの構成されていますか?

Q94 ブレーキディスクの材質にカーボンを使用したものがありますが、その特徴はどのようなものですか?

Q95 インボードブレーキとはどんなものでしょうか?

Q96 ブレーキングドリフトという言葉を聞いたのですが、どういうことですか?

Q97 センターブレーキとは、どういうブレーキですか?

Q98 モーニングシックネスという言葉を聞きました。どういう意味ですか?

Q99 永久磁石式リターダとは、どのような機構で減速するのですか?

Q100 パッドの側面にひびが発生しました。原因は何ですか?

Q101 乗用車に使われているディスクブレーキローターの材質は何ですか?

Q102 小型軽量車のリヤブレーキにディスクブレーキが採用されている場合、パーキング機構をディスクブレーキキャリパに内蔵している場合がありますが、中・大型車用の場合はディスクブレーキとは別にドラムタイプのパーキングブレーキがあるのはなぜですか?

Q103 山間部の下り坂が続くところにはブレーキに何か不具合があったときに止めるための緊急避難所がありますが、そこへ突っ込めば本当に止まりますか?

Q104 下り坂をエンジンブレーキを使う場合と使わない場合ではどのくらいのブレーキ温度差がありますか?

Q105 ディスクローター表面が荒れた場合、研磨する必要はありますか?

Q106 レースの際にブレーキを冷却する方法は空冷以外にありますか?

Q107 レーシングカーのブレーキキャリパはオポーズドタイプが多く採用されていますが、なぜですか?

Q108 ディスクローターのヒートスポットとは何ですか?

Q109 高級車・スポーツカーには4輪ディスクブレーキが採用されていますが、大衆車・軽自動車はリヤにドラムブレーキが今でも採用されています。フロントブレーキは殆どがディスクブレーキとなりましたが、リヤブレーキにドラムタイプが残っているのは何故ですか?

Q110 ブレーキパッドの慣らしは必要ですか?

Q111 普通のクルマではブレーキをかけたときにフロントを先にロックさせていると聞いたのですがなぜですか?

Q112 カーボンが配合されているブレーキパッドがありますが、どのような特徴がありますか?

Q113 アルフィンドラムとはどのようなタイプのドラムブレーキですか?

Q114 PD型キャリパとはどのようなブレーキですか?

Q115 スポーツタイプのディスクローターで2ピースのものがありますが、メリットとデメリットはどのようなものがありますか?

Q116 LT(リーディング・トレーリングシュー)タイプのドラムブレーキが小型車や軽自動車のリやブレーキによく採用されるのはなぜ?

Q117 ブレーキで食付き感とはどういったものですか?

Q118 トラックやバスに採用されている空気圧倍力ブレーキ(air-servo brake system)とはどのようなものですか?

Q119 シェイクバックとはどういう現象ですか?

Q120 中型トラックのフロントブレーキで1つのディスクローターに2つのキャリパブレーキが装着されているものがありますが目的は何ですか?

Q121 デュアルサーキットブレーキとはどのようなものですか?

Q122 複合型サーボブレーキシステムとはどのようなものですか?

Q123 ブレーキアシストとはどのようなことをしているのですか?

Q124 ブレーキパッドの全摩耗とはどのような状態を言いますか?

Q125 ブレーキファクター(BEF:brake effectiveness factor)とはどのような係数ですか?

Q126 ブレーキライニングとはどの部分の名称ですか?

Q127 ブレーキライニングインジケーターとはどのようなものですか?

Q128 ウォーターフェードとはどのような現象ですか?

Q129 浮動式キャリパブレーキとはどのようなタイプのブレーキですか?

Q130 オポーズドタイプのブレーキはコストが掛かっていると聞きましたがなぜですか?

Q131 産業機械用のブレーキでネガチブレーキというのがあると聞きましたがどのようなブレーキですか?

Q132 ディスクブレーキパッドですが、よく見ると摩擦材のところにスリット(溝)があるものと無いものがあります。この溝がブレーキにとって大変重要な役目を果たしていると聞きましたがそれはどの様な役目ですか?

Q133 緊急の場合パーキングブレーキでクルマを止めることができるでしょうか?

Q134 冬になるとディスクロータ表面に黒い斑点が。この斑点の正体はなんでしょうか?

Q135 雨の多い季節や、寒い時期『朝ブレーキ踏んだ時だけ、ブレーキ鳴きする』『始動後、一回目のブレーキだけ効き過ぎる』、この季節になると上記のような現象が増えるのでしょうか?

Q136 世界規模で協力しあって自然保護活動への取り組みが進められています。自動車業界も例外ではなく、ハイブリッド車の普及や燃料電池車の登場により燃費向上・排出ガス低減などと共に製造段階からの環境対応も行われつつあります。ブレーキとて例外ではありません。ブレーキは将来どのように変わろうとしているのでしょうか?

Q137 ある車でジムカーナレースに参加、サイドターンをしたら数分後に販売会社から車が故障していると携帯に連絡が入りました。持ち主は目の前にある愛車は故障していないのでビックリ!! こんな事が本当にあるのでしょうか?

Q138 ディスクブレーキは、ディスクローターをパッドで挟んで止めます。そのためディスクローターとパッドは擦れ合いディスクローターの表面は綺麗な金属面となりホイールの隙間から見えるときがあります。このディスクローターですが、ホイールの中を覗いて見たところ、いつの間にかレコード盤のような傷(摺動方向に平行)が発生!
一体原因は何でしょうか?

Q139 ブレーキ周りの交換部品といえば、ブレーキパッド・シュー、フルード、ゴム部品です。ゴム部品の中には「シール・ピストン」と言うものがありますが、何の変哲もない、ただの丸いゴムに見えるシール・ピストンがブレーキにとっては非常に重要な働きをしています。ずばりこの「シール・ピストン」の機能とは何でしょうか?

Q140 ヒルスタートアシストは坂道で停止した時にブレーキをかけて確実に停車する機構です。最近このヒルスタートアシストが付いている車が増えてるのはなぜですか?  
早いもので今のクルマに乗り始めて10万kmを走破しました。ブレーキは、重要保安部品なのでメンテナンスが必要ではないかと思いますが、どのようなところがポイントですか?
もちろんメンテナンスは必要です。クルマは走行しても走行しなくても劣化する部品があります。
ブレーキを構成するマスターシリンダー、キャリパブレーキには様々なゴム部品が使われています。特にキャリパブレーキについているシールというゴム部品は、ディスクブレーキとディスクローターの隙間を調整する大切な機能を持っています。毎日乗っていると劣化の度合いが感じ難いでしょうが、長い間に使用していると温度による劣化、摺動による摩耗があり新品時の機能が保てなくなります。身近でいいますと水道の蛇口のゴムパッキンです。長く使っていると水道栓を締めても少し水が洩れてくることを経験したことはありませんか。同様にブレーキフルードが染み出てくる可能性が高くなります。またブレーキパッドを押し付けるピストンの首下についているダストブーツも経年変化で硬化してひび割れし易くなり、ついには破れて中に水が浸入して錆が発生し、最悪ブレーキの作動が悪化することがあります。キャリパブレーキと足回りまできているブレーキ配管を繋いでいるブレーキホースにおいても、長く使っていくうちに硬化してひび割れし易くなり最悪破れてブレーキフルードが洩れてノーブレーキになる可能性があり大変危険です。家庭で使っているガス器具のホースと同様です。指で折り曲げたときにひび割れが見えるようになる前には交換すべきです。オーバーホールすることにより明らかにフィーリングが向上します。
摩耗するブレーキパッドとディスクローターは摩耗限度を守り交換してください。ブレーキパッドは、新品時においては約10mmの摩擦材厚みがありますが、5mmの厚みを切ったときには交換を考えた方が安全です。ブレーキパッドが薄くなってくるとブレーキをかけたときの熱がブレーキキャリパに伝わり易くなり、最悪ブレーキフルードを沸騰させベーパーロックを起こす可能性が高くなるため、早めの交換をお薦めします。ディスクローターにおいても通常約2mmの摩耗代がありますが、薄くなるとディスクローターの熱容量が少なくなり熱変形を起こしブレーキジャダーを起こす可能性が高くなります。又同時にブレーキパッドも摩耗限度を過ぎて使用しているとキャリパブレーキのピストンが脱落することも考えられますので、早めの交換をお薦めします。
ブレーキ部品は重要保安部品なので、整備する場合には資格をもった整備工場にお任せすることをお薦めします。
サイドブレーキを戻すのを忘れて走行してしまい気付いたときにはホイールが高温となってしまったのですが、何か問題が発生しますか?
サイドブレーキを戻すのを忘れて走行したということは、ブレーキを掛けたまま走行したことと同じ現象なのでブレーキを掛けたときに発生する摩擦熱により高温になったのです。最寄の整備工場にてブレーキのライニング表面を点検してもらったほうがよいと思います。表面が硬化して効きが落ちている可能性があるためです。またブレーキフルードはエア抜きを実施してもらうことをお薦めします。
リヤがディスクブレーキ(サイドブレーキ内蔵タイプ)の場合、サイドブレーキの効きが弱いのはなぜですか?
ディスクブレーキは入力に対して比例して効きがアップします。リヤがドラムブレーキの場合と比較すると、ドラムブレーキは入力に対して効きが増幅してアップする(サーボ効果)為、ディスクブレーキより効きが高くなります。その差が効きの弱さを感じている要素と思います。大きなクルマのリヤには、サイドブレーキの効きを強くするために通常使うディスクブレーキとサイドブレーキ専用のドラムブレーキが内蔵されたタイプが採用されています。何れのタイプも整備をしっかり行っていれば効きに対して不満がでることは稀です。サイドブレーキ内蔵タイプのディスクブレーキは内蔵されている部品が正常に機能しなくなると効きが弱く感じるようになりますので定期的にオーバーホールをすることをお薦めします。
マスターシリンダーストッパーのメリット・デメリットは?
ハードなブレーキングを行うとマスターシリンダーに大きな圧力が入力され取付けられているパネルが変形する為ペダルフィーリングが悪くなります。この動きを止めるのがマスターシリンダーストッパーです。確かにマスターシリンダーをがっちり抑えるために取付パネルのたわみが無くなりペダルフィーリングが向上するメリットがありますが、それに伴い逃げ場を失った分取付部のパネルやマスターシリンダー内部に負担が増えてしまうデメリットがあります。
車種によってキャリパブレーキの取付位置が前と後があるのはなぜ?
足回りの形式、キャリパブレーキのタイプ、配管の取り回し、性能を発揮させる為の位置(冷却等)を各メーカーにて検討して決めています。基本的には機能の差はないと思われます。
最近ブレーキペダルの遊びが大きく、かなり深くまでブレーキペダルを踏み込まないと必要な制動力が得られなくなりました。これは経年劣化によるものなのでしょうか? ちなみにブレーキパッドの摩耗を警告するセンサーは作動しておりません。
ボンネットの中にあるブレーキフルードの入った容器の液量を確認してください。ブレーキフルードの量が、容器に刻まれたミニマムラインに近づいていたらブレーキパッドが摩耗している可能性があります。すぐに点検をしなければなりません。
ディスクブレーキは、ディスクローターとパッドのクリアランスが自動調整されますから、一見ブレーキペダルの遊びは変わらないように思われますが、実際にはブレーキパッドが減ってくると、キャリパーのピストンの飛び出しが大きくなり、またフローティング側のキャリパーを固定しているピン剛性が落ちてくるので、ブレーキキャリパー自身の剛性が低下します。そのため、ペダルをより強く、深く踏まなければ、本来の制動力が得られなくなるのです。パッドの摩耗の点検はこまめに行ってください。
ブレーキの点検は警告音のみに頼らず、ブレーキのフィーリングに注意したり、目視でブレーキフルードの量を必ずチェックしてください。転ばぬ先の杖ですよ。
ベーパーロックを防ぐ為には?
ベーパーロックとは、ブレーキをハードに使用したためにブレーキフルードが沸騰してエア(フルード内の水分が気化)をかんだ為にブレーキペダルを踏んでもブレーキの効きが低下する現象をいいます。

対策としては、

1. ブレーキを酷使しない。
2. ブレーキパッドの摩擦材の残り代が半分になったら交換する。(摩擦材が半分になるとディスクローターからの熱をキャリパブレーキに伝え易くなるため)
3. シム(ブレーキパッドの鉄板についている薄い板)を外さない。
4. ブレーキフルードの交換頻度を増やす。

等を実施することにより防ぐことができます。
最近高速、低速問わずにブレーキを踏むとジャダー(ペダルを踏んだ足へ振動が伝わる)が発生します。どのようにしたら解決できますか?
ディスクローターの変形(偏摩耗)が考えられます。国産用のブレーキパッドは、ホイールの汚れを防ぐために、黒いダスト(潤滑性能をもつカーボン系の材質)が出にくい材質を使用しています。しかしこの材質は潤滑性能がない為ディスクローター表面に傷を付け易くジャダーの原因の一つとなります。ディスクローターの厚みに余裕があれば研磨して表面を平滑にすることにより解決できます。その際にはブレーキパッドも新しいものに交換することをお薦めします。
ABS(アンチロックブレーキシステム)は、ブレーキを掛けたときに車輪がロックしないようにコンピューターによりブレーキに掛かる油圧を増減させて滑りやすい路面でも最短の距離で止めようとします。いわゆるポンピングブレーキ(自動車教習所で習いましたよね!)を機械的に行うものです。さてその際、1秒間に何回ポンピングを行うでしょうか?
ABSは車輪がロックしそうになると毎秒約10回もポンピングブレーキを行います。(メーカー車種によって異なります)
人がやろうとすると、一般の方なら1〜2回/秒、プロドライバーでもいいところ数回程度です。最近ではレーシングカーにもスポーツABSなるユニットが標準的になり、ドライバーのアシスタントとして欠かせない存在となっています。
ブレーキホースを金属製のメッシュ巻きのタイプにするとブレーキの効きが高くなりますか?
ブレーキの効きは、金属製メッシュ巻きのブレーキホースに交換しても高くなることはありません。但し通常のゴム製のホースに比較すると回りに巻かれた金属製のメッシュのためブレーキをかけたときに液圧でホースがふくらみ難くなりブレーキペダルのタッチが硬くなり、効きが高くなったように感じることがあります。装着に際して注意しなければならないことは、使って行くうちに回りに巻いてある金属製のメッシュが操舵や振動によりささくれてきて内部のホースを破りブレーキ液が洩れ圧力が抜け、最悪ブレーキが効かなくなる恐れがあるため、ストリート向けにはあまりお薦めできるアイテムではありません。装着の際には頻繁なる点検をお忘れなく。
ノックバックという言葉の意味は?
クルマの振動やコーナーでの横G、ディスクローターの振れによりブレーキパッドがディスクローターに押されることによりピストンがキャリパブレーキの中に押し込まれる現象のことをいいます。次にブレーキをかけたときにブレーキが直ぐに反応しないため再度ブレーキペダルを踏みなおす必要があります。(1回のペダルストロークではディスクブレーキとブレーキパッドの隙間を埋めることが出来ないために起こります)ビデオ等でサーキット走行などをしているときのプロドライバーの足元を見るとコーナーに侵入する遥か前に左足でブレーキペダルを少しだけダブって踏んでノックバックを無くしています。(このとき右足はアクセル全開の為左足を使います。慣れていない人は真似をしないように!)
雨の多い季節や、寒い時期に朝ブレーキ踏んだ時だけ、ブレーキ鳴きするんだけど…、始動後一回目のブレーキだけ効き過ぎる!!などなど…。なぜこのような現象が増えるのでしょうか?
パッドやロータに湿りっ気があると、お互いの密着性が上がってしまい、効きが高くなり鳴き易い状況を作ってしまうからです。その素となるのが、梅雨の季節であれば湿度の上昇であり、寒い時期であれば結露なのです。なかなか自然は強敵です。
峠を下りてきてブレーキが加熱したため、早く冷やす為にブレーキに水をかけても大丈夫ですか?
絶対におやめください。

理由としまして
1.ディスクロータを急激に冷やすとディスクロータにクラックが入る可能性があります。
2.パッドも急激に冷やすとクラックが入る可能性があります。
3.パッドは水を吸うと本来の性能が出にくくなります。


ディスクロータは出来るだけゆっくりと冷やしてください。ブレーキをかけないで走行するか(走行風を当てる)、車をとめたままで冷やすのがよいです。
ディスクローターの錆は効きに影響がありますか?
最近のクルマのアルミホイールはディスクブレーキが丸見えになるようなものが多いためディスクローターが錆びると目立ちますよね。又ディスクローター表面に錆があると、所定の摩擦係数が発揮することができません。錆びた場合効きが多少落ちますが暫く走行してブレーキを掛けていれば直ぐにピカピカのディスク面になり効きも復活します。ディスクローターは鋳鉄製のため錆びは仕方のないことです。錆びた状態で走行する場合、最初はゆっくりとブレーキを掛けるか、ディスクローター表面を軽くペーパーがけをして錆びを落としてください。急激に錆びを落とすと最悪の場合ディスクローター表面に偏摩耗が発生してブレーキジャダーや鳴き(ノイズ)の原因となる場合がありますから注意が必要です。それでも、落ちない場合は、研磨あるいは新品への交換が必要です。お近くの整備工場にご相談ください。
乾燥路面(通常の舗装路)と圧雪路・凍結路では、どの位制動距離が変わりますか?
50km/hで走行している車両の制動距離は・・・

ドライ路面 36m 雪上路面 48m 氷上路面 114m

その倍の速度である100km/hの場合

ドライ路面 112m 雪上路面 160m 氷上路面 424m

氷上路面ではなんと 424mですよ!!
 (*プロドライバーが意識してこの結果)と、各々3.1倍、3.3倍、3.7倍と制動距離が伸びます。
雨や雪が降ったときには、充分気を付けて走行しましょう!
穴開きディスクローターのメリット・デメリットは?
メリットとしては、ブレーキをかけたときのブレーキパッドの摩耗粉を逃がすことと、発生するガスを抜くことに効果があります。又ディスクローター自身の放熱性が高くなります。
デメリットは、穴を開けた事によりディスク表面の温度分布が均一でなくなりクラックが発生し易くなります。又ブレーキパッドの摩耗粉がつまり易くなり穴開きの効果が無くなってしまうことがあります。
スリット入りディスクローターのメリット・デメリットは?
メリットとしては、ブレーキをかけたときにブレーキパッドから発生するガスを抜く、摩耗粉を飛ばすができます。デメリットは、ブレーキパッドの摩耗が増える、またパッドとの相性により偏摩耗を起こすことがあります。
ブレーキパッドの寿命はどのぐらいですか?
クルマの乗り方によって大きく異なる為、一概には言えません。例えば同じ距離を走ったとしても平坦な道と起伏の激しい峠道では、ブレーキを使用する頻度が異なる為寿命は大きく異なります。通常の使用でしたらノーマルタイプのもので3〜4万km、スポーツタイプで2〜3万kmぐらいは走行できるものと想定されます。クルマの定期点検のときには是非とも摩耗状況を確認することをお薦めします。
ブレーキパッドは減りますよね。何で減るんでしょう。摩擦が生じれば、消しゴムや鉛筆と同様に削れて減っていく物ですが、パッドの摩耗と使用状況(乗り方、環境など)は非常に繋がりが深く、特に摩擦表面の温度との関係はパッドの寿命に直結してます。さて、実際街乗りで使用する温度域はどの位でしょうか?
通常、街乗りではいいとこ120〜130℃付近の温度域で使用されています。頻繁に山登りされる方や、少し過激な運転をされる方は、やはり温度も高くなりパッドの減りも早くなります。
参考までに、山道を上り下りすると200〜250℃付近(山を削った新興住宅地なども意外に過酷です)まで上昇します。走行距離と減り具合・車の使用用途から、適切な交換時期を考えて交換をお薦めします。減りすぎたパッドを使用していると怖い目に遭いますよ!
スポーツタイプのブレーキパッドを交換する際、フロントのみの交換で問題ありませんか?
フロントに効きの高いブレーキパッドを装着することは何ら問題となりません。リヤに効きの高いタイプを装着するとリヤがフロントよりも先にロックしてしまいクルマが大変危険な挙動となりますので絶対におやめください。理想はフロント・リヤ同時にバランスのよいパッドに交換することをお薦めします。
スポーツパッドが鳴き易いのはなぜ?
効きが高いということは、摩擦係数が高いということです。すなわち摩擦係数を高くするための材質(金属繊維等)を多く配合するために鳴きが発生し易くなります。例えば樹脂系の材料と鉄系の材料を鉄板にたたいたときに発生する音を想定すると鉄系の材料が長く響き渡ります。それに比べて樹脂系の材料は直ぐに音が消えます。その違いが鳴きのメカニズムに影響していると考えられています。
スポーツパッドがディスクローター面を攻撃するのはなぜ?
スポーツパッドには、効きを高くするためにセラミックスやスチール等の金属繊維が配合されています。スポーツ走行時にブレーキングでディスクローター温度が高くなるとディスクローターの材質(主に鋳鉄)が柔らかくなり、それに比べてブレーキパッドの中に含まれるセラミックスやスチール等が熱に対して強い(硬い)ため押し付け擦られるときにディスクローター面を攻撃します。
ブレーキパッドの摩擦面の角に面取りがしてあリましたが目的は何?
ブレーキをかけ始めたときのディスクローターとの当たりをマイルドにして鳴き(ノイズ)の発生を抑制する目的でつけています。クルマによっては、斜めに面取りしたり摩擦面の1/3ほどを削ったり様々な形状のものがあります。
レース用のブレーキパッドを付けたのに効きが変わらないと感じてしまうのは何故ですか?
通常の使用しているブレーキの温度は、〜250℃ですが、レースのときは、〜600℃、ときには800℃なんて話もあります。その為レース用のブレーキパッドは高温で効くように設計されており、通常の使用温度域では効きが出ないパッドが多くなっています。俗に「ストリート用」と謳われているパッドであれば通常走行に使用しても問題ないのですが、本格指向の「レース用」を使用する場合は、サーキットで走行前に交換する事をお勧めします。
定期交換部品として車検毎に交換するブレーキフルードですが、蓋がついているにも関わらず汚れ(変色)てしまうのはなぜですか。また交換しないとどのようなことになりますか?
ブレーキペダルを踏むと、その力をパッドやシューに伝える媒体となるブレーキフルードですが、熱を受けることによってフルードに含まれる添加物(防錆剤、潤滑材等)が劣化し変色していきます。(色合いは健康のバロメーターです!)
また、若干ですが大気中の水分がホース表面から抱き込まれて変色する場合もあります。(ウソの様ですが本当です!!)
汚れたフルードを交換せずに使用していると水分が多く含まれている分フルードの沸点が下がり、ブレーキング時に発生する摩擦熱によりブレーキが効かなくなる「ベーパーロック」が低い温度で発生しやすくなり大変危険です。ちなみに「ベーパーロック」のベーパー(VAPOR)の日本語訳は水蒸気です。変色したら交換しましょう。
ブレーキフルードの交換は、車検時のタイミングで交換すればよいのでしょうか?
サーキット走行など厳しい使用条件・履歴を受けたものは、劣化が促進されますので交換時期に関係なく交換しましょう。熱を受けると、吸湿性が高くなります。(フルードの状態をチェツクできるチェッカーが市販で発売されています。興味のある人は購入してみては如何ですか。)
なぜブレーキフルードの量は減少するのでしょうか?
フルードはLLC(ラジエーター液:ロング・ライフ・クーラントの略)と違い蒸発することはありません。よってブレーキフルードの量が減少しているということは何らかのシグナルサインとなります。疑う箇所は、

1. ブレーキパッドが摩耗してきている。
2. ブレーキ回りの液漏れが発生している。
ブレーキホース、チューブ、キャリパブレーキ、マスターシリンダー等の装置からの液洩れが考えられます。

早めの点検・交換をお薦めします。
ブレーキフルードの注ぎ足しはOK?
ブレーキフルードはブレーキパッドが摩耗以外基本的に量が減少することがないので、減った場合は注ぎ足し等せず、ブレーキ関係の点検を行ってください。
ブレーキの構成部品には、ブレーキホース、ダストブーツ、シールetc.結構な数のゴム部品が使われています。これらゴム部品が劣化してくるとどうなってしまうでしょうか?
各種ブーツ関係は経年劣化により硬化し、ひび割れ・破れを生じブレーキの中に封入されているグリスが保持出来なくなるため、錆が発生し固着したり各部の摺動性が悪化します。又、ピストンシールは気密性保持の機能の他にパッドとロータの適正なクリアランスを保たせる機能(オートアジャスト機能)も携えています。
ホースも経年劣化により硬化し、ひび割れ・膨れを生じブレーキフィーリングが悪化したり、最悪、液洩れに繋がります。危険な状態となります。定期交換をお奨めします。
ブレーキまわりのゴム部品に鉱物油系のオイル・油が付着するとどうなりますか?
鉱物油(自動車に使われている油脂類中、ブレーキフルード以外は殆ど鉱物油です。一般的な潤滑油も)が付着しますと、ゴムが膨潤し色々な不具合が生じます。間違ってリザーバータンクに入れてしまったりすると、液洩れ・機能障害に繋がり、最悪ノーブレーキなんていうこともあります。くれぐれも間違えないようにしてください(一部輸入車でブレーキフルードとして鉱物油を使用している車両もあります)。
ブレーキフルードの成分は何系ですか?
非鉱物油系という分類になります。種類としてはヒマシ油ベース、グリコールエーテル系、ホウ酸エステル系、シリコーン油系とありますが、グリコールエーテル系のブレーキ液が一般的です。
ブレーキフルードには、その性能を示す規格(ドライ沸点・ウェット沸点)によりグレード(BF3、BF4(DOT3、DOT4と呼ぶものもあります))があります。そのグレードの異なるものを混ぜても問題はないでしょうか?
混ぜても問題はありません。
(但しメーカーの異なるもの、ベース材の異なるもの(グリコール系・シリコン系)を混ぜると問題となる可能性が高くなりますので混ぜないほうが賢明です。)

しかしこの場合、性能通りの効果を得る事ができません。
例えばBF3と4では、吸湿性自体は変わらず、原料も変わりません(添加物は変化する)ので混ぜても問題にはなりません。
BF3(平衡還流沸点 ドライ205度以上、ウエット140度以上)に高沸点のBF4(平衡還流沸点 ドライ230度以上、ウエット155度以上)を混ぜても問題にはなりません。
但しBF3に高沸点のBF4を混ぜても、BF4の効果は得られません。(BF3になる訳ではありませんが、折角なら全量交換したほうがいいです。)
高速道路での移動、あるいは重い荷物を運ぶ、山岳地区での使用が多い場合などは、やはりBF4の方が信頼性は高いので、自分が走るシチュエーションを考えてグレードを選ぶことをお奨めします。
ブレーキフルードが塗装面に良くないと聞きますが、それはなぜでしょうか?
ブレーキフルードの主原料であるグリコール系は、塗料を溶かしてしまうからです。ブレーキ整備をしているときに、何らかの理由によりブレーキフルードが塗装面についた場合、速やかに水で洗い流してください。そのまま放っておくと塗装面が侵されてしまいますので注意が必要です。
ブレーキを点検したところ、通常はアウター、インナーともにほぼ同様に摩耗して行くはずが、なぜかパッドのアウターとインナーで摩耗に大きな差がついていました。このままだと摩耗の早いほうが使用の限界に達したらまだ使える側も同時に取り替えなければならずちょっともったいないような気か・・・ でも、どうして均等に摩耗していかない事があるのでしょうか?
パッドの摩耗が多い側のキャリパ本体に何らかの問題があることが考えられますので、キャリパ本体の点検が必要です。ピストンやスライドピンに不具合が生じたり、ダストブーツが破れているケースが考えられます。
専門の整備工場にてキャリパの内部を見てもらうことをお奨めします。
ブレーキパッドの摩擦材のところにスリット(溝)があるものと無いものがありますが、大部分のディスクパッド表面には中央部にスリットが入っています。このスリットの役目は何?
スリットはブレーキ鳴きの防止やパッド部を分割する事によって初期当たりを良くする効果がある・・・という事です。
もちろんカーメーカーのコンセプトでスリットのないものもありますが。リヤーパッドはブレーキの負荷や面積が小さいなどフロントに比べてスリットは少ないようです。
全車種から見てみますとフロントで約80%の車種、リヤーは約30%の車種にスリットが施されています。
パッドやロータの摩耗粉は鳴き要因の一つと考えられるためロータとパッドの摺動面に介在する摩耗粉をスリット部で掻き落としブレーキ鳴きや振動を軽減している訳です。一部に斜めにスリットがあるのも見られますがスリットがある車種全体からすると約3%です。斜めスリットは鳴きと言うより低周波の鳴きに効果があるようです。
ディスクブレーキは、ディスクローターをパッドで挟んで止めるのでディスクローターとパッドは擦れ合いディスクローターの表面は綺麗な金属面となりホイールの隙間から見えるときがあります。さてこのディスクローターですが、ホイールの中を覗いて見たところ、いつの間にかレコード盤(知っていますよね!)のような傷(摺動方向に平行)が発生!一体原因は何?
その傷はスコーリングといいます。発生の原因は

1. パッド原材料による影響
研削成分が熱履歴を受けることにより酸化し、ロ−タ材質より硬くなるためスコ−リングが発生する。
2. ディスクロ−タによる影響
削られたディスクロ−タ(鉄分)が、パッド摺動面に付着し同種摩擦により摩耗が促進しスコ−リングが発生する。
3. ダクロの影響
防錆塗布してあるダクロの一部がパッド摺動面にかみ込みディスクロ−タを削る。
4. 外的要因
走行中に砂,砂利等がロ−タとパッドの間に入り込みディスクロ−タを削る。

ディスクローター表面は、平滑であることが性能を発揮する条件のひとつとなります。スコーリングが発生したらすぐに上記項目を確認してください。症状がひどい時はディスクローターの研磨(最小厚みに注意)とブレーキパッドの交換をお奨めします。
ブレーキパッドの交換時期について、点検時に半分以上の摩耗が確認されたら交換を勧められるました。半分あればまだ使えると思いますがなぜ?
月に1度点検されるなどまめな方であれば、ギリギリまで使用し、交換されてもよいとおもいますが、通常、車を使用されるお客様は点検をなされるサイクルは大体1年周期かと思われます。
新品状態から半分摩耗するまでの使用期間・距離と、半分摩耗状態から摩耗しきってしまうまでの使用期間・距離は短くなるケースが大半です。
※熱の影響等により新品時に比べパッドが摩耗し易くなる為です。
安全を考え、早め早めの交換を勧めします!!
新品パッドへ交換したのにブレーキが鳴くのはなぜ?
パッド交換される際、ロータまで交換されることはまれかと思います。
パッドとロータが擦れあって成り立つブレーキ。パッドが減るということは、ロータも少なからず摩耗し、多少なりとも凹凸が生じます(といっても微少ですが)。
使い込んだロータへ新品パッドを取り付けると、馴染みが悪く鳴きを生じてしまうケースがあるのです。
新品パッドへ交換する際は、ロータを研磨し取り付ける・又は初期馴染みを良くする為、摺り合わせを行うと、初期トラブルを軽減出来る事と思います。
冬から春に掛けてタイヤをスタッドレスからノーマルタイヤに交換する際に、ディスクローターを見ると、表面に黒い斑点が・・・?!この斑点の正体は何?
積雪の多い地域にて、冬期に凍結防止用として散布される融雪剤(塩)により、ディスクロータが錆び、制動時の熱などで黒錆となってしまったものです。
通常、軽度な錆ならばブレーキを掛ける事により削り取られてしまうのですが、根の深い頑固な錆は制動時の熱で酸化が進み、黒錆となってしまうのです。
そのまま使用すると、ジャダやパッドの早期摩耗に繋がりますので、ロータ研削/交換をお勧めします。
融雪剤の散布量は年々増しており(2002年総散布量2000ton 95年比1.5倍)、塩害により車両下回りの腐食が車両にダメージを及ぼし、故障に至るケースも多々あります。
※最近では車両取扱説明書に、融雪剤が散布された道路を走行後は直ちに洗車する様に記載されるほどです。車両を長持ちさせる為にも、こまめな洗車やタイヤを履き替える際に車両の下回り(足回り)の清掃・点検を心がけましょう!
冬真っ盛りの時期。雪の季節、路面も冷えてますし日陰に入れば時には凍っている事も・・・そんな時にブレーキを掛けて「止まらない〜」という経験をしました。車両を止める為に必要不可欠な要素とは何?ちなみに「車両を止めるのはブレーキ」だけではありません。
車両を停止させるため、最終的に制動力を路面に伝えるのは『タイヤ』です。どんなに摩擦係数の高いブレーキパッドを使おうと凄〜いキャリパを付けようと、最後の最後にクルマを止めるのはタイヤと路面の抵抗です。経年劣化によりプラスティックの様に硬化してしまったり、摩耗してしまったタイヤでは確実な制動は得られません。
みなさん、ブレーキはもちろんの事、タイヤも定期的に点検すると共に、路面の状況(氷・雪・雨)を把握し、安全運転に努めましょう!!
山道を下る時、必然とブレーキを使う頻度が増えますが、エンジンブレーキを効かせて下る場合とエンジンブレーキを使わないで下るのでは、どの位、ブレーキに掛かる負担は変わりますか?
実際に山道を下り比較した結果、エンジンブレーキを使う場合と使わない場合とでは、ブレーキを使用している時間が異なり、ブレーキの温度もAT車にてDレンジで下った場合と2レンジで下った場合を比較すると・・・
約20kmの走行で、Dレンジ:440℃、2レンジ:130℃と その差は約3倍もあります!!
ブレーキはあまりにも温度が高くなると、フェード現象やベーパーロック現象を起こし、ブレーキが効かない・止まらないといった恐ろしい事態に陥ります。ブレーキトラブルを避ける為にも、長い下り坂ではシフトダウンしてエンジンブレーキを効かせましょう!
ブレーキパッドの寿命も延びますよ。
ブレーキフルードを購入される際、基準とする項目として「DOT規格」「BF規格」があり、ラベルを見ると「ドライ沸点・ウェット沸点」が記載されています。
(沸点:ブレーキフルードの耐熱性・性能をします。)
さて、ドライ沸点・ウェット沸点とは何ですか?
ブレーキフルードは非常に吸湿性の高い液体で、水分を含むと沸点が低下しベーパーロックが起きやすくなります。その性能を示す規格がドライ沸点・ウェット沸点です。

ドライ沸点⇒水分の混入率が0.1%以下の沸点
ウェット沸点⇒水分の混入率が3.5%時の沸点

以前、規格が作られた頃は2〜3年通常使用したフルードの水分混入率は3.5%前後と言われていました。ところが最近の車両はリザーバータンク(フルードを溜めておくところです)のシール性も向上し、ブレーキフルード製造元からの情報によると、2〜3年通常使用したフルードの水分混入率は1〜2%程度との事です。

車両側の対策もされていますが、やはり劣化するもの。
2年を目安に(黒褐色や異常な濁りを確認した場合は直ぐに)交換しましょう!

[参考]
DOT3⇒ドライ沸点:205℃以上、ウェット沸点:140℃以上
DOT4⇒ドライ沸点:230℃以上、ウェット沸点:155℃以上
深い水たまりなどを通り、浸水したあとのブレーキの効きはどうなってしまうでしょうか?
浸水してしまったあとのブレーキはロータとパッド(ドラムとライニング)間に水が介在し、極端に効きが低下します(ウォータフェード現象!!)。
その場合はブレーキを連続的にかけ、温度・速度(ディスクブレーキの場合)を上げ、ブレーキ廻りの水分をとばすと、ブレーキの効きは元に戻ります。
また、戻り際に一時的に効きが上がり、効き過ぎ現象が発生する事もありますので、水に浸かった後のブレーキは、水分がなくなるまで踏み方に注意しましょう!
(※効きの回復は、50km/hから10回程度ブレーキを踏むのが目安となります!)
80〜100km/hからブレーキをかけた時にブレーキペダルに軽い振動が伝わるようになりました。この不快な振動の要因は何ですか?
通常、ジャダーと言われている症状は、ロータ側に要因があると言われています。何らかの要因によりロータが攻撃され肉厚差を生じ、その肉厚差が制動時にペダル振動・車体振動となって現れます。その他の今回はロータを削っても解消しない場合は、キャリパに要因がある場合もあります。
例えば2POTタイプのキャリパにおいて2個のうち1個のピストンが摺動不良でパッドを斜めに押しているケースがあります。もちろん、キャリパのオーバーホールで解消します。昨今、定期交換部品から外されたシール類ですが、やはり時間と共に劣化しますので,油漏れ等なくても交換させることをお勧めします。

【参考】ジャダ発生時の点検ポイント
・高速域でのジャダー:ロータの肉厚さ
・低速域でのジャダー:キャリパの摺動性、パッドの当たり
クルマを運転しているときの携帯電話使用に対する罰則が制定され大分時間が経過しますが、普通に運転をした場合と注意力散漫な運転(携帯電話で通話中)をした場合ではどの位反応が遅れますか?
まず車の停止距離は教習所でも習われたことと思いますが、

空走距離 + 制動距離 = 停止距離

の2つの要素から成り立ちます。

空走距離・・運転者が危険を感じ急ブレーキが必要と判断した時点から、ブレーキペダルを踏み込んでブレーキが効き始める時点までの距離
制動距離・・ブレーキが効き始めてから、停止するまでの距離

注意が散漫になっていると、反応が遅くなり「空走距離」が極端に長くなります。
一般的に、運転者が危険を感じ急ブレーキが必要と判断した時点から、ブレーキペダルを踏み込んでブレーキが効き始める時点までに掛かる所要時間は0.75秒といわれています。これが注意力散漫な運転(携帯電話で通話中)をしていると、0.75秒以上、無限大となってしまいます。
反応が遅れると…
例えば、よそ見(わき見)運転をしていたとすると、プラス1秒掛かると言われています。

仮に時速60km/hで走行していてアクシデントに遭ったとすると空走距離は…

普通に運転    12.5m
注意散漫な運転  29.2m・・・その差 16.7m!!


アクシデントに気付いたとしても、確実な操作が行えるかといったら、やはり集中して運転している場合と比べれば停止距離は確実に伸びてしまいます。
クルマは、小型車でも1tを超えるの鉄の固まりです。便利な乗り物でもありますが、1つ間違えば凶器にもなりえます。運転中は携帯電話には決して触らない、出ないということをこれからも守ってくださいね。
山道を下るときは、エンジンブレーキを極力使いながら下ると教習所で習いましたが、ブレーキを酷使してしまい温度が上がってしまったときに止まって一休みするべきでしょうか?
ブレーキは、走行中に風が当たり冷やされるのですが、停止してしまうとホイールの中に熱気が溜まり、冷えるどころか暖められてしまいます。ですから山道を下った時など(車に負担の掛かる走行をした時)は、平坦な道を数分ゆっくり走って冷やした方が(クーリング走行!)、フェード現象やベーパーロック現象を防ぎやすくなります。ブレーキに限らず、自動車には油脂やゴムなど熱により劣化し易いものが多く使われていますから、クーリング走行をして労ってあげると、寿命も伸びると思いますよ。
ブレーキフルードの働きはペダル操作した力を伝達する役目をしていますが、なぜ、ブレーキフルードでなければいけないのでしょうか?
使用状況下から、安定性(沸騰・凍結しにくい)・防錆性(金属を浸食しない)がある液体で且つ水分と分離しない液体でなければ、ブレーキに使用することが出来ません。水では沸騰・凍結したり金属を錆させますし、エンジンオイルなどは水と分離してしまいます。そこで植物油系の液体(主:グリコールエーテル系)=ブレーキフルードとなるわけです。
又、ブレーキに使われているゴム(シールやブーツ)は耐植物油の素材が使われています。鉱物油(エンジンオイルやパワステオイル、一般的な潤滑油など)が付着すると膨潤し、機能不具合を生じますので、キャリパオーバーホール時に使用するグリースや車両整備時に潤滑スプレーなどが掛からないように気を付けなければなりません!
※ブレーキフルードは吸湿性があります。吸湿したブレーキフルードは沸点が下がり、ベーパロックしやすくなりますので、定期交換をお勧めします。
ブレーキパッドは消耗品であることがわかりますが、ディスクローターも消耗品ですか?
摩擦が生じるということは、ブレーキパッドだけでなく相手材のディスクロータも削れてしまいます。(国産車の場合、基本的にはパッドが減りますが)。
ディスクロータ表面が削れ、段付きや肉厚差が生じると、鳴きやジャダー(振動)、異常摩耗などを生じ易くなります。又、使用状況が過酷な場合、ディスクロータが変形(熱倒れやうねりなど)して、鳴きや異音が生じたりします。その場合は、ディスクローターを研磨する必要があります。その際、ディスクローターの有効摩耗代の限度を超える場合は新品と交換となります。
※ディスクロータには有効摩耗代があります(ディスクロータの側面などに明記してあります)。削りすぎた場合、最悪割れてしまう可能性もあり大変危険なので注意が必要です。
乗用車のブレーキでは、ドラムブレーキは、小型車以下のリヤにしか見られなくなってきましたが、トラックのブレーキの主流はドラムブレーキが主流となっているのは何故でしょうか?
乗用車と大型トラックの車重を考えると、例えば10tトラックと乗用車ではブレーキに掛かる負担は単純に10倍だとします。ところがブレーキの大きさはいいところ数倍にしか出来ません。ホィールサイズを10倍には出来ませんよね。そのために自己倍力(※)するドラムブレーキが好まれて、使われているわけです。

同じ力でブレーキを踏んだ時に、ドラムブレーキはディスクブレーキの3〜4倍もブレーキ力を発揮します。)
ブレーキの温度ですが、実際街乗りで使用する温度域はどの位でしょうか?
通常、街乗りではいいところで120〜130℃付近の温度域で使用されています。頻繁に山登りされる方や、少し過激な運転をされる方は、やはり温度も高くなりパッドの減りも早くなります。
参考までに、山道を上り下りすると200〜250℃付近(山を削った新興住宅地なども意外に過酷です)まで上昇します。ブレーキパッドの寿命が走行距離と比例しないのは、そのような理由からとなります。走行距離と減り具合・車の使用用途から、適切な交換時期を考えて交換をお薦めします。
ディスクブレーキのパッドとディスクローターの隙間が、摩耗によって広がることはないですか?
現在のディスクブレーキに使われているブレーキキャリパーには独立したピストン戻し機構を持っていません。その代わりを担っているのがピストンシールです。加圧時(ブレーキをかけたとき)にゴム製のピストンシールがピストン外面に引っ張られて変形します。液圧を抜く(ブレーキを解除)とこの変形の戻りによって、ピストンがわずかに引き戻されます。制動時のピストン/パッドのストロークはごく微小であり、走行状態ではディスク面とパッドがわずかに離れていればよいためこれで十分となります。隙間調整のメカニズムはパッドが摩耗したときその分だけピストンの押し出し量が増えます。その際ピストンシールの変形量は限られているためパッドの摩耗分だけピストンがずれて出てゆきます。その後の戻りストローク=ディスク/パッド間の隙間は、ピストンシールの変形量によりほぼ一定に保たれます。
ブレーキシステムが故障した場合のフェールセーフはどのようになっていますか?

ブレーキの配管系の故障の場合

ブレーキまたはブレーキパイプ等が破損したときには、液圧回路が2系統でレイアウトされているため、1系統が故障しても残りの1系統でカバーできるようになっています。
油圧回路については次の2種類があります。

@ 前後2系統
マスターシリンダーから出力を前後各2輪に分けて配管したもので、FR(フロントエンジン・リヤドライブ)車のように前後輪の荷重配分が均等またはやや後輪が重い場合に採用されます。
A X配管
FF(フロントエンジン・フロントドライブ)車用で、反対側の前後輪同士をクロス配管することにより1系統が故障しても荷重の重い片側の前輪の制動力を確保します。FF車やFF車ベースの4WD車に採用されています。


故障した場合のブレーキ停止距離は、通常時と比較でFR車の場合、前輪ブレーキのみ作動で約1.5〜2倍、後輪ブレーキのみの作動で約2〜2.5倍となり、FF車の場合、片側故障時約1.8〜2.2倍とかなり制動距離が延びます。


ブレーキブースターが故障した場合

ブレーキブースターは通常エンジンの負圧を利用しています。その真空圧が使えなくなるとブレーキペダルは重くなり、力一杯踏まないと効かなくなります。その際の停止距離は約1.5〜2倍(ブースターがあるときと同じ力で踏んだ場合)となります。

ABSが故障した場合

ABSに何らかの不具合があったときには、通常のブレーキ状態(ABSが装着されていない状態)となります。ゆえに滑りやすい路面ではABS無しと同じ挙動となりますが、ブレーキの本来の効きには影響がありません。
ブレーキパッドの寿命はどのくらいですか?
クルマの種類、使用方法、地域、ブレーキパッド材質、気候などの要因により全く異なる為ずばり回答することは大変難しいのが実情です。
あえて言うならば、ブレーキパッドを使用する温度域の影響が大きいです。温度域が高い(ブレーキを頻繁に使う、山道を降りる、ハード走行等)場合は短くなります。ブレーキパッドの寿命を長くするならば、温度をなるべく低く抑えることとなります。
走行パターンにおけるブレーキパッドの寿命は、ストリート(街乗り)使用がメイン(走行中のブレーキパッド平均温度100〜150℃)の場合、小型乗用車で4〜5万km、スポーツ仕様のクルマで3〜4万km、RV車で2〜3万km位が目安となります。又山道での走行の場合は、ブレーキ頻度が高くなるため、ストリート使用に比べて約半分の寿命となると想定されます。あくまでも目安なので定期的に点検を実施してください。
総合的な傾向としまして、ブレーキ使用(山道走行等)が多いほど、車両重量が重いほど(ブレーキに対する負荷も大きい)ブレーキパッドの寿命は短くなることを覚えておいてください。
ブレーキパッドを長持ちさせる方法はありますか?
ブレーキパッドの寿命を長持ちさせるならば、温度をなるべく低く抑えることとなります。又次のことに注意してください。

@ ディスクローターは錆びないようにする。(錆びると研削材のようになってしまいます)
A ディスクローターに傷を見つけたら、表面の研磨あるいは新品に交換します。
B 急制動は、控える。(ディスクパッドの温度が高くなり、寿命が短くなります)
C 坂道ではエンジンブレーキを積極的に使う。(ディスクパッドの温度を上げない)
D ブレーキの定期点検を行う。(ブレーキの作動不良による引き摺りを事前に防ぐ)
ブレーキパッドに使用期限はありますか?
ブレーキパッドは、鉄板に摩擦材を接着剤にて接着しています。クルマを使用していると熱、水、泥等にふれる機会が増え錆びたり(鉄板、摩擦材に使用されている金属材料)、変質(摩擦材、接着剤)したりして劣化し、条件によってはもっている性能を十分に発揮できない場合があります。定期点検の時には、錆、変質、摩耗状況、傷、汚れ等をよく確認してください。
新品ブレーキパッドに交換したとき、焼き入れは必要ですか?
焼き入れの目的は、フェード対策と当たりつけがメインとなります。ブレーキパッドの表面を高温にすると有機物質からガスが逃げる為、フェード現象を防ぐ事ができます。フェードを経験させると同時にブレーキパッドとディスクローターの当たり付けもでき、効きが安定します。焼き入れの際の注意ですが、あまり高温(200℃以下)としたり、急ブレーキをかけないようにします。
スポーツパッドの材質でメタル系のものもあります。メタル系については、当たり付けの有無によりその後の効きに差があるようです。また長時間行う必要があります。
ブレーキパッドの鉄板についているシム(薄い板状の部品)の役割は何ですか?
ブレーキ鳴きを防ぐこと、断熱効果をもたせることの二つの目的あります。ブレーキ鳴きについては、ブレーキパッドの鉄板とシムの間にグリスを塗布したりして鳴きを防止させます。断熱効果については、ブレーキングによるディスクローター、摩擦材からの熱をピストンに伝え難くする目的でシムを入れます。シムは、2枚入れるもの、たてに複数の溝があるものステンレス材の上にゴムをコーティングしたもの等があります。
ABS(アンチロックブレーキシステム)を装着しているクルマを運転するときに気をつけなければならないことはありますか?
ABSが普及してから10年以上が経過して、現在殆どのクルマに標準装備されています。降雪地域ではその恩恵を十分に受けていると思いますが、普段使用する場合の注意点に触れてみたいと思います。
ABSの本来の目的は、急ブレーキや路面が滑り易い時にブレーキ(タイヤ)がロックしてしまうと車体の安定性が損なわれ、ハンドルが効かなくなってしまうという状態を回避させようとするために開発された装置です。ブレーキがロックしなければ、タイヤが路面を捉えハンドルが切れている方向に車は進むことが出来ます。ゆえに安全に停まることができます。但し、ABSが作動する機会は、降雪地域以外では、ほぼ稀ではないでしょうか。
いざというときにABSの作動に伴うブレーキペダルに伝わる振動や音にビックリしてブレーキペダルから足を離してしまい、結局衝突してしまうといったような本末転倒なお話もちらほら聞く事があります。周囲の安全を確認した上で、ABSが作動するまで強くブレーキペダルを踏み込んで、経験しておくことも必要です。
ブレーキの効きがもう少し高くなって欲しいのですが、ブレーキの効きを良くする一般的な方法はありませんか?
そもそも自動車メーカーがクルマを開発する際に、そのクルマのコンセプトやコスト、車両重量・車の重心高・ブレーキのサイズ等で大体のブレーキの性能(効き)が決まります。理論上、車重を軽くし車の重心を下げ、大きなブレーキを着ければ良いということになります。しかし現実問題としまして、安全性、使い勝手や居住性の良さ、価格帯等によってかなりの制限(ブレーキにかけられるコスト)を強いられてしまいます。ゆえに最も手軽に効きを良くする為には、オーナー自らが『高性能ブレーキパッド』に交換することとなります。
スポーツパッドに交換しようと思いますが、交換してしまうとABSの働きは変わりますか?
ABSの本来の働きは、車体が動いているにも関わらず車輪の回転が止まってしまうことをセンサーで関知し、その回転を復元させようとするものです。
具体的には、車室内の中央付近に「Gセンサー」と呼ばれる車体の傾きを検知するセンサー、車輪(=タイヤ)の内側に「スピードセンサー」と呼ばれる車輪の回転数を検知するセンサーの両方からの信号でABS制御コンピュータが、車の走行状態を診断しブレーキにかかる圧力を加減する装置です。
一連の動きとしては、「ブレーキを強く踏む」ことで高い圧力がブレーキに発生する。→車輪の回転が止まる。(=ブレーキロック)→車輪が止まっているのに車体は動いている。(=滑走している)→ABS制御コンピュータがこの状態を診断してブレーキにかかる圧力を加減する。となります。
この時、それまでのブレーキパッドからより効きの高いスポーツパッドに交換するということは、運転するドライバーにとってはそれまでより短い距離で停止することが出来るというメリットがあります。(もちろんその制動距離はタイヤの性能に左右されますが)
理屈では、それまで使っていたパッドより効きが高いということは、これまでより車輪の回転が止まり易くなる。=ABSが働くタイミングが早くなる。ということになります。しかし実際の運転では、それまでより軽い力で充分な制動が可能になる訳ですので、なんら問題にはなりません。
日本車と輸入車では、ブレーキのフィーリングが全然違いますが、このような違いはどうして起こるのですか?又、輸入車はものすごくホイールが汚れるのですが、日本車とどのように違うのでしょうか?
欧州と日本では、走行条件が全く異なります。例えばドイツの『アウトバーン』では、基本的には、制限速度が無制限であり、多くの方が、200Km/h以上の高速で走行しています。しかし最近では、所々に速度規制の設けられている区間があったり、前方の流れが詰まっていたりと、急激にブレーキを踏み減速するようなシチュエーションもあるようです。したがってブレーキの効きに対してもより効きの高いものが要求され、摩擦材の材質もローターを削る位の強力な材質を使用しております。更にはローターそのものも、価格が安価であることから消耗品であるという考え方が強く、パッドの交換時には、ローターも一緒に交換します。基本的にブレーキに対する要求性能や考え方が、日本とは大きく異なる為です。日本では、『ホイールが汚れる』というのはあまり好ましくないという風潮がありますが、欧州の方々は、『高速から安全に速度を落とす』ということに重点を置いている為、摩耗粉によるホイール汚れに関しても、気にする方が少ないものと思われます。
車輌重量の重いSUVやミニバンにおいては、前輪のブレーキパッドの減りがリヤに比べて早いようですが、なぜですか?
自動車のブレーキは、通常前輪70%、後輪30%程で仕事の負担を配分しています。なぜなら後輪の仕事を多くするとクルマの安定性が損なわれ大変危険だからです。ゆえに前輪に多くの負担を配分しているためブレーキパッドの摩耗も早くなるわけです。車輌重量が重い場合はさらにブレーキに掛かる負担も増えるため、なおさら助長されてしまします。

※ブレーキライブラリーのブレーキ基本計算も参考にしてください。

↓↓↓↓↓↓↓↓↓
http://www.neostreet.co.jp/brake2/special/s1.html
ブレーキ警告灯が点灯したのでサイドブレーキの戻し忘れかと思いサイドブレーキを戻した事を確認したにも関わらず点灯しっぱなしとなりました。壊れてしまったのでしょうか?
クルマのメーターパネル(計器板)には、サイドブレーキを引いた際に点灯する警告灯があります。この警告灯は、他にブレーキリザーバータンク(エンジンルーム内にあるブレーキフルードが入っている容器)内のブレーキフルードの液面が規定量を下回ると警告する機能も併せ持っています。(クルマの取扱説明書にその旨が記載されています。)正規の場合、ブレーキパッドが新品状態のときにブレーキフルードもブレーキリザーバータンクの「MAX」のところに液面を合わせて入れてあります。ブレーキパッドが減るとともにブレーキフルードの液面も下がってゆきます。(ブレーキパッドの厚みが薄くなった分ブレーキキャリパのピストンが飛び出して行く為)ブレーキパッドが摩耗してそろそろ交換時期となると液面のところにあるセンサーが働き「警告灯」が点灯するわけです。よってブレーキフルードを途中で注ぎ足してしまうとブレーキパッドの摩耗がここで判定できなくなってしまいます。 またブレーキパッドがまだ新しいのに液面が減るようでしたら、どこかで洩れている事を疑ってみる必要があります。
ブレーキパッドの交換時期ですが、鉄板に張ってあるライニングぎりぎりまで使って大丈夫ですか?
結論から申し上げますと、鉄板ギリギリまで使う事は大変危険です。ブレーキパッドは摩耗が進むとディスクローターの熱がパッドの鉄板を通じてキャリパブレーキのピストンへ伝わり易くなりブレーキフルードが温度上昇し易くなるため、最悪の場合フェード現象を起し易くなってしまいます。新品状態から半分を過ぎたあたりから交換を考えた方が安全な状態を維持できます。
ディスクローターは、1枚のものと2枚を張り合わせたものがありますがその違いは何ですか?
ブレーキはディスクローターとブレーキパッドを摺動させて運動エネルギーを熱エネルギーに変換してクルマの運動を止めます。大きなエネルギー(速度が速い、負荷が高い等)のときに早く熱エネルギーを発散させるためには、ディスクの熱容量を高くすることが必要です。そのためにディスクローターを2枚にして尚且つ2枚の接合部をフィン形状や円筒形の柱とすることにより早く冷却できるような工夫がしてあります。
ディスクローターには摩耗限度がありますか?
勿論あります。規定の厚みがディスクローターの鋳物の表面(摺動しないところ)に表示してあります。レコード状の溝が出来てしまったり、段付き摩耗をしてしまった場合は、表面を研磨することになりますがその際には必ず規定の厚みを守ってください。厚みが規定より薄くなると最悪の場合(ブレーキパッドがフル摩耗状態)ブレーキキャリパのピストンが飛び出してしまいブレーキが機能しなくなることが考えられますので絶対に守ってください。 又ディスクローター表面の平坦度についてもあまりにもゆがんでしまった場合は交換が必要です。(ディスクローター表面に定規を当てて隙間が出来ないかを確認することができます)
サーキット走行会に参加したところディスクローター表面に小さなひびがたくさん入ってしましました。なぜ?
ここで小さなひびをヘアークラックと言います。ディクスローター温度が500〜600℃を超えて表面温度分布が均一でないときに発生する事があります。 もともとノーマルのディスクローターはサーキット走行などを想定していませんのでディスクローターの熱容量が足りない為、ヘアークラックが発生し易くなります。
緊急の場合パーキングブレーキでクルマを止めることができますか?
パーキングブレーキの本来の目的は、名前の通りクルマを駐車した際に動かないように止めておくためのものです。レバー(最近はフットペダルのものもあり)を引くとケーブルが引っ張られてブレーキが機械的に掛かります。 日本の法律(道路運送車両法)では20%の坂でも動かないように、初速30km/hから減速度1.5m/s2以上又は26m以内で止まるように定めれていますので、速度さえ30km/hぐらいまで落とせれば止めることはできます。こうならないように日頃からの整備点検をお奨めします。
ABS(アンチロックブレーキシステム)の車速を算出するセンサーはどこについているのですか?
通常のクルマでは3輪(FR社で前輪2輪+後輪1輪(デフ))で制御され、4WD車の場合4輪で制御されます。センサーは各車輪(FR車の3輪の場合はフロント2輪と後輪(ディファレンシャルギアの入り口)に装着されています。
ブレーキが鳴いたときの対処法はありますか?
一番初歩的な方法としてグリース(ブレーキ専用の耐熱性のある専用品)を所定の位置に塗布する方法があります。

1. パッドのプレート部分に薄く塗布する。沢山塗ると垂れてディスク表面に付着してしまうことがありますので注意が必要です。
2. 塗布した後にシム(パッドのプレートに被せてあった薄いプレート)をはめて下さい。3.パッドをキャリパに装着する際にパッドを支えるところにも薄く塗布してください。 4.パッドのシムとピストンと当たるところに薄く塗布してください。 これでほぼ鳴きを抑えることができますが、まだ鳴く場合は他に要因が考えられます。
3. パッドをキャリパに装着する際にパッドを支えるところにも薄く塗布してください。
4. パッドのシムとピストンと当たるところに薄く塗布してください。 これでほぼ鳴きを抑えることができますが、まだ鳴く場合は他に要因が考えられます。
ブレーキバイワイヤとはどういうものですか?
ドライバーがブレーキをかけたときのペダル操作を電気的に検出して制動力を制御する技術です。従来のシステムでは、ブレーキペダルを踏むと液圧あるいは空気圧を利用して制動力を機械的に制御しています。その制御の一部または全部を電気信号に変えたもので、最適なブレーキフィーリングに近づけることが狙いとなります。
現在市場で発売されているものは、液圧ブレーキをバックアップ機能として備え、通常時はマスターシリンダーの出力を電磁弁にて遮断し、ドライバーのブレーキ操作に準じた電気信号をハイドロリックユニットに送り、ここで制動液圧を発生させるレイアウトをとっています。将来は更に進めて液圧ブレーキを持たずに電気信号を受けた電動ブレーキによて直接制動力を発生させるシステムを開発しています。
ブレーキのブースターとはどのような働きをするのでしょうか?
一般的な液圧ブレーキの加圧装置はペダル踏力をマスターシリンダを通してホイールの中にあるブレーキを動作させますが、その場合ブレーキ力に見合っただけの踏力が必要となりクルマの重量が重くなるとペダルの操作力も重くなってしまいます。ペダル踏力をアシストするためにエンジンのバキューム(負圧)を利用したサーボユニット(ブースター)が現在のクルマには一般的に採用されています。そのお陰で軽い踏力でブレーキを掛けることができます。(エンジンを切った状態では、エンジンの負圧が発生しないためブレーキペダルの操作力はとても重くなります。走行中にエンジンを切ってしまうとブレーキペダルを通常より強く踏まないとクルマの制動距離は延びます。)
ブレーキアシストという言葉をカタログで見ました。一体どういうものですか?
運転を始めたばかりの人や高齢者、女性は緊急時に十分なブレーキ操作ができない傾向があります。しかし緊急のときは通常より早く踏み込み操作を行っていることが判ったため緊急時にブレーキの効きを十分に高め、短い距離で停止させて安全性を向上させることがブレーキアシストの役割です。
ブースターを電子的に制御したブレーキアシストシステムは、1996年頃からトヨタ自動車、メルセデスベンツにより市場に出回りました。その他、ポンプによって追加加圧するシステムやアキュムレータの蓄圧を利用するシステムがあります。
ブレーキを掛けたときの車輌の安定性を確保するために、ブレーキ配管の途中にプロポーショニングバルブという部品があると聞きましたが、その役目は何ですか?
ブレーキの油圧の前後配分を行う為に装着されています。前後のブレーキ圧力を同じに掛けてゆくとリヤがロックしてしまい大変危険な状態になるため、リヤブレーキへの油圧を固定された一定比率にて低めるものです。これによりブレーキの安定性を確保しています。
最近EBDを装着しているとクルマのカタログにありましたが、一体何ですか?
EBDとは、Electronic Brake force Distributionの略で日本語では電子制動力配分制御と略されます。プロポーショニングバルブを電子的に制御することにより、乗員数や積載量の変化に対しても油圧の制御が適切に出来るようになりました。
制御は主に各車輪の速度差を検出して、スリップ比を適正に保つように各輪のブレーキ油圧が電子的に制御されます。走行状態(積載状態や減速、旋回による荷重変化など)に応じて適切な制動力配分が行われることで優れたブレーキ性能を確保して、さらにはコーナーリング中のブレーキ時などで車両の安定性確保にも貢献しています。
EBDのブレーキ油圧制御にはABS用のアクチュエーターや車輪回転速度センサーが流用され、部品数削減や低コスト化にも貢献しています。ゆえにABS装着率の高まりとともに一般化してきた装置といえます。
滑りやすい路面での発進や加速時に過剰な駆動力によるホイールスピンを抑え、車両の安定性を高めつつ駆動力を確保するシステムとしてトラクションコントロールがありますが、エンジンを制御してコントロールするものとブレーキを制御してコントロールするものがあるようですが、どのような制御ですか?
エンジン制御とブレーキを同時に制御することにより、特に片側車輪のみスリップするような状況での効果が高く最近では一般的となっています。
さらにトラクションコントロールの発展版として、従来はデフロック機能が必要となるような不整地や、ぬかるんだ路面などの走行条件下でも安定した発進・加速が行えるActive-TRC(Active Traction Control)などのシステムもオフロード4WD車に装備されています。
従来のクルーズコントロールと言えば、アクセルから足を離しても設定した速度を一定に維持するため、エンジンの出力を制御するものが一般的ですが、最近はブレーキ制御も使われているものがあると聞いたのですが、どのようなものですか?
クルーズコントロールは、従来設定した速度を一定に保つためにエンジン出力を制御するものでしたが、最近レーダーセンサー等からの情報を利用して、先行車との車間距離を保つように制御するシステムが実用化されてきています。このことを実現するために、従来どおりエンジン出力を制御することのみのものから、ブレーキによる加圧制御を併用してより実用性の高いシステムへと進化してきました。ブレーキ制御の方法として、ESC(エレクトロニクススタビリティコントロール)のシステムを利用したものや、ブースターを制御するものがあります。それらを総合的に制御するクルーズコントロールをICC(インテリジェントクルーズコントロール)と呼び、ドライバーの運転負荷の軽減する運転支援を行います。
国土交通省が主導してASV(先進安全自動車)プロジェクトの中で衝突速度軽減ブレーキシステムというのがあると聞いたのですが、どのようなものですか?
国土交通省の主導により1991年からスタートしたASV(先進安全自動車)プロジェクトにおいて、レーダーなどのセンサー情報から前方を監視して衝突事故の被害を軽減しようという試みとして研究と開発が行われてきました。
この成果の一つとして衝突速度軽減ブレーキが2003年から本田、日産、トヨタなどによって相次いで実用化され始めました。
通常のクルマはブレーキをかけて減速するときに、走行中の運動エネルギーをディスクブレーキなどの摩擦ブレーキにより熱エネルギーに変換していますが、そのエネルギーを回収する研究がされていると聞きました。どのようなものですか?
ブレーキをかけるときの運動エネルギーを回収し再利用(回生する)研究は、以前から行われ、フライホイール式、電気式、油圧式などが試みられてきました。
近年、蓄電池の進歩からトヨタプリウスなどのようなハイブリッド車が実用化され、これと並行して燃費の一層の向上を狙い、熱効率の良い電気式の回生ブレーキが開発されました。ブレーキ時のエネルギーを効率よく回生するためには、ドライバーが要求するブレーキ力に対し、モーターによる回生ブレーキ力を最大限に発生させ、不足分を摩擦ブレーキで補うように配分する必要があります。一般的な車両のブレーキではドライバーの操作力に比例したブレーキ力が発生しますが、回生ブレーキを協調させる摩擦ブレーキは、ドライバーの操作力に比例しないブレーキ力を発生させなければなりません。このためドライバーの操作力の量を電気的に検知し、回生ブレーキとの配分を最適に調整できるように、4輪のブレーキ力を制御するブレーキバイワイヤーの一種であるEHB(Electro Hydraulic Brake)が実用化されました。このEHBは回生との協調のみではなく、4輪独立に加圧でき、ドライバーに制御時の作動音やペダル振動などを伝えない利点を活かし、従来のABS、TCS及びESCの制御開始より前から4輪のブレーキ力を制御して車両姿勢の安定性を高め、予防安全を確保できるシステムの採用が一部の高級車に始まっています。
ブレーキパッド交換を行うときに、パッドが摩耗した分だけ飛び出したピストンを戻す作業が必要ですが、最近の輸入車と最新の国産高級車の一部にはそのピストンを戻すために専用のテスターを使わないとできないものが登場したと聞きましたがどのようなことですか?
メルセデスベンツの最新SLクラスとEクラスには、ブレーキバイワイヤ(ブレーキ操作をハーネスで伝える)を採用しています。
ブレーキ・ペダルを踏むと、その動きが電気信号に変換され、マイクロ・コンピュータに送信されます。このコンピュータは多くのセンサーから走行状態についてつねに十分な情報を受け取っています。したがってコンピュータは各ホイールに対する最適なブレーキ圧を状況に合わせて算出し、配分します。その結果、コーナリング時の制動能力が大きく向上します。そのためブレーキペダルとブレーキのキャリパまでの配管は、従来のような油圧経路を使っていません。
その関係でピストンのストローク量はコンピューターで監視しており、ブレーキパッドを交換する際には専用のテスターを使ってブレーキパッドを交換する信号を与えてピストンを戻さなければエラーが出てしまい、ブレーキに何らかの問題が生じたとコンピューターが判断して最悪ブレーキかかったままになってしまうかもしれません。よって今後該当する車種をメンテナスする際には、そのテスターは必須となってしまいます。
(参考 Q61)
以前、日本車と輸入車のブレーキフィールの違いについてパッドの特性が上げられましたが他の要因はありませんか?
欧州車は、ブレーキパッドの効きが比較的高い摩擦材が採用されておりますが、それ以外に低膨張のブレーキホースが採用されています。
ドライバーがブレーキペダルを踏んだ際のレスポンスやリニアリティといったブレーキフィーリングの達成にはブレーキペダルを踏んでからキャリパー部のパッドがディスクローターを挟むまでに働くブレーキ液量(所要液量)を低減させる必要があります。ブレーキシステム全体の所要液量に占めるブレーキホースの割合は約20%と大きい為、ブレーキフィーリングの向上には、所要液量の増大の原因である体積膨張量の少ないブレーキホースの採用が重要なポイントとなります。そのため低温から高温まで広範囲にわたる温度領域での低膨張化が技術課題となります。最近、日本車においてもこの低膨張のブレーキホースが採用されはじめました。
2輪車用のディスクローターは雨に濡れても錆びませんが、4輪車のディスクローターは錆びてしまいます。材質による違いと思いますがどのようなものが使用されているのですか?
2輪車用のディスクローターは、錆びると見栄えが悪くなるために錆びないステンレス材を使用しています。それに合わせてブレーキパッドの材料は焼結合金という銅などの粉を固めたものを組み合わせるのが主流となっています。
ちなみに4輪車には概ね普通鋳物が使用されています。普通鋳物には成分としてカーボンが数%含まれているために潤滑性が良く(摩擦係数の安定)、減衰性が高い(鳴きが少ない)という特性をもっています。瞬間最高使用温度は600℃くらいとなります。
短所としては、表面が柔らかいためメタリック系(ロースティール系、スティール計、メタル系)パッドを使用した場合、ディスクローター表面が荒れてしまうことです。
トラックなどの負荷の大きなクルマには瞬間最高使用温度が高い鋳鋼材が採用されています。
ブレーキ鳴きがし難いディスクローターがあると聞きましたが、どのような材質ですか?
カーメーカーによっては、普通鋳物に含まれるカーボン量を増やして減衰性を高くして鳴き難くしています。単純にカーボン量を増やすと強度が落ちてしまったり、摩擦材とのマッチングが変わってしまうために異なる金属材を配合して特性を調整しています。この当たりは各メーカーのノウハウに関わるところです。
軽量化の観点からいうとアルミ材質のディスクローターが採用されてもいいと思いますが技術的に難しい課題がありますか?
確かにディスクローターをアルミ材質にするとバネ下重量が軽減されクルマの乗り心地、燃費の向上、タイヤと路面の追従性がよくなることが期待できます。しかしアルミは柔らかく200℃を超えると急激に強度が落ちてしまうために、セラミックス等の粉を混ぜたアルミ合金として一部のクルマに採用されたことがあります。又表面にコーティングしたものも一部あるようです。しかし普通鋳物に比較すると耐熱性がまだ今一であり、価格も高いために実用化には更に時間が必要となると思われます。
(参考 Q1 Q37 Q48
ブレーキまわりを自分で点検する際のポイントを教えて下さい?
一般的には、ブレーキパッド・シューの摩耗状況、ディスクローターの摩耗状況、ホイールシリンダの機能・液漏れ、マスターシリンダの機能・液漏れ、キャリパブレーキの機能・液漏れ、ブレーキ配管回りの液漏れ、ブレーキペダルの遊び・隙間、駐車ブレーキの引き代となります。クルマの整備手帳の車検時に点検する項目とほぼ一致します。
直ぐに確認できることは、マスターシリンダーのブレーキ液の量、各部の液漏れ、タイヤを外してブレーキパッドの摩耗状況ではないでしょうか。
トラックに装備されているエキゾーストブレーキ(排気ブレーキ)とは、どのうようなブレーキですか?
2ton以上のトラック等に装着されているエキゾーストブレーキとは、エキゾーストパイプにバルブを設けて、これをステアリングコラムに設けたスイッチでバルブを開閉することにより、エキゾースト(排気)を止めるてエンジン内部の抵抗を大きくしてエンジンブレーキを強力に効かせたものです。
トラックに装備されているリターダとはどういったものですか?
大型トラックが長い下り坂を降りる際に、エキゾーストブレーキのみではブレーキ力が不足する場合があります。そこで補助ブレーキとしてリターダが装着されたものがあります。
リターダとは減速、妨害、阻止という意味があります。装着部位は、概ねトランスミッションの後に取り付けられてプロペラシャフトの回転を直接抑えるものです。タイプとして渦電流を発生させて抵抗とするもの、永久磁石を使ったもの、流体を使ったもの等があります。
大型トラックのブレーキ倍力装置にエアオーバーハイドロが使われていると聞きましたがどういうものですか?
エアオーバーハイドロとは、ブレーキの作動源を圧縮空気としてブレーキペダルに内蔵されたブレーキバルブの働きにより踏み込み角度(踏力)に応じた圧力に制御されたエアがエアブースターに送られ、エアブースターはエア圧を液圧に変換および倍力してホイールシリンダに油を送り込みブレーキを作動させる倍力装置です。通常の倍力装置との違いはブレーキ作動源である圧縮空気を作るためのエアコンプレッサ(エンジンにより駆動)とエアレザーバ(タンク)が必要となります。
走行しているときにホイールの辺りから「チッチッー」という甲高い音が出るようになりましたが、原因は何ですか?
ほぼ間違いなくパッドの摩耗警報センサー(ウェアインジケーター)が作動している音です。パッドが摩耗限界に来る前に音で知らせるセンサーです。至急ブレーキパッドを新品に交換して下さい。ブレーキライブラリの7.メンテナンスと交換タイミングCに図がありますのでそちらもご覧になって下さい。
そのまま乗り続けると摩擦材が無くなり裏板とディスクローターが直接接触するようになって「ゴー」という金属同士の接触音が発生します。そうなるとディスクローター表面が荒れてしまいディスクローターも交換しなければならなくなりますので、無駄な費用が発生する前にパッド交換をお勧めします。
納車されたばかりの新車なのにブレーキが鳴きました。暫く乗っていると鳴かなくなりました。なぜでしょうか?
ブレーキの鳴きの原因は、車体重量、足回りの剛性、材質又自動車は、沢山の部品で構成されているため組み付け精度等のによる影響があると考えられています。
納車されたばかりというとディスクローター表面とブレーキパッド表面に於いて接触状態がよくなく微振動が発生したことにより鳴いたのではないかと想定されます。その後鳴かなくなったのは、使って行くうちにお互いの表面の接触部が馴染んできたためと想定します。
ブレーキパッドの交換は誰にでもできますか?
もう大分経ちますが、規制緩和によりオーナー自らが整備が行えるようになりました。但し実際に実行するには、交換に必要な工具と専門知識が必要となります。ホームページ・雑誌等で交換の仕方を公開しているところもありますが、あくまでも自己責任となりますので腕に自身のない方は、整備のプロ集団の整備工場にお任せすることをお勧めします。
ブレーキ部品でグリースアップすべき箇所はありますか?
ブレーキ部品に於いて、摺動するところやパッドの裏板とキャリパボディの擦れるところにグリースを塗布しています。暫くクルマに乗っているとグリースにゴミが混入したり、ブレーキの熱により溶けて流れてしまうことがあるため、そのままにしておくと錆等が発生して本来の動きが悪化してしまう場合があります。車検等のときに点検して必要箇所にグリースを補充・塗布する必要があります。クルマを長く乗る秘訣の一つかもしれません。
ブレーキパッドの素材はどのようなもの構成されていますか?
ブレーキパッドは、結合材、補強材、摩擦調整材の3つの材料から構成されていて約20〜30種類の原材料を混ぜ合わせて作られています。
結合材は、いろいろな材料を固めるための接着剤のような役目をします。主にレジン系の樹脂を使います。
補強材は、パッドの基となる材料で、他の材料を絡める役目をします。昔はアスベスト(石綿)を使用していましたが、環境問題で現在はアラミド繊維等を使用しています。他に強度を持たせるために、ガラス繊維やカーボン繊維を配合する場合があります。
摩擦調整材は、パッドの性能を決める役目をします。金属粉や化学物質が配合されます。これらの材料の配合量がパッドの性能を左右するため、ブレーキメーカーのノウハウが生かされる部分となります。
ブレーキディスクの材質にカーボンを使用したものがありますが、その特徴はどのようなものですか?
高速域から高負荷での使用に耐えるために開発されたディスクローターです。通常の鋳物ディスクローターが軟化するような高温度域においても耐熱性に優れています。カーボン材は、炭素繊維を基材として、バインダーに耐熱性のメソフェーズピッチ(石油系)を使用しています。非常にコストが高いため、殆どがレーシングユースとなります。しかし2000年には、ポルシェ・カレラに量産車として初めて採用されました。雨天時に摩擦係数が低下する、温度が低い低速域での効きが低いなどの改良点もありますが、炭素繊維とセラミックスで強化するなど改良と実用化が進められています。
インボードブレーキとはどんなものでしょうか?
航空機、列車、フォーミュラレーシングカー等において、車体をボード(板)と呼び、インボードあるいはオンボードということは車体外板の内側を指します。インボードブレーキとは車体内側にブレーキがあり、ファイナル駆動ギアボックスの直ぐ脇にレイアウトされています。バネ下重量が軽減されて、タイヤの接地性がよくなり、加速、乗り心地、走行安定性が良くなる、ブレーキがホイールから離れているので、泥や水が入りにくい、放熱性が良い(ホイールの中に比べると)などの理由から一部のクルマにも採用された経緯がありましたが、メンテナンス性やレイアウト性(構造が複雑になる)、コスト面等が余りよくないため、最近はあまり採用されていません。通常の普通自動車のブレーキは、ホイールの中にレイアウトされているアウトボードブレーキとなります。
ブレーキングドリフトという言葉を聞いたのですが、どういうことですか?
特にモータースポーツの世界で使われるテクニックです。旋回ブレーキの過程で、後輪が滑り出した状態をいいます。旋回ブレーキでは後輪の荷重が低減し、タイヤのコーナーリングフォースが減少して後輪の横滑りが生じやすくなります。このとき、ドリフト状態になればドライビング・ミスとなり、これをきっかけにドリフト状態に持ち込むテクニックがブレーキングドリフトになります。一般公道では行わないでくださいね。
センターブレーキとは、どういうブレーキですか?
トランスミッションの後部に取り付けられ、最終減速装置を介して制動力を発生させるブレーキ装置です。一般的に小型で、自己サーボ作用が大きいデュオサーボタイプのドラムブレーキが採用されています。最終減速比が発生トルクの倍率となり、小さいブレーキでも高い制動力を得ることができるため、トラック、バスの駐車ブレーキとして使われています。しかしこのブレーキを走行中に非常ブレーキとして使用すると容量が小さいためにすぐにフェードを起してしまうので非常用としては使用できません。最近は安全の強化を目的とした法規制が改正されホイールパーキング式ブレーキに移行しています。
モーニングシックネスという言葉を聞きました。どういう意味ですか?
早朝又は長時間休止していて冷えたブレーキが、異常な効力を示す現象のことをいいます。
永久磁石式リターダとは、どのような機構で減速するのですか?
永久磁石によって生じた磁場を利用して回転する金属円板に発生する渦電流抵抗によって、減速する装置です。大型トラック等に搭載されています。
パッドの側面にひびが発生しました。原因は何ですか?
高負荷でブレーキを頻繁に使ったときに発生する場合が多いです。殆どの場合は、高温による摩擦材の熱劣化が原因となります。継続して使用できるか否かの判断材料としては、ひびの長さが20mm以内、ひびの幅が0.1mm以内となります。普段から高負荷でブレーキを使わないようにしてひびの発生を防ぐことが大切です。急な坂を下るときにはブレーキのみに頼るのではなく、エンジンブレーキを併用してブレーキの負担を軽くすることです。
乗用車に使われているディスクブレーキローターの材質は何ですか?
特殊な例を除いて大体が砂型鋳造のねずみ鋳鉄製です。耐熱性上げるためにニッケル入れたりモリブデン入れたり、耐振性をよくするために炭素やシリコン増やしたりといろいろと添加して工夫をしています。
小型軽量車のリヤブレーキにディスクブレーキが採用されている場合、パーキング機構をディスクブレーキキャリパに内蔵している場合がありますが、中・大型車用の場合はディスクブレーキとは別にドラムタイプのパーキングブレーキがあるのはなぜですか?
パーキング機構を内蔵したディスクブレーキキャリパは、ブレーキパッドをローターに押しつけた状態でメカニカルにロックするという機構を通常の制動用とは別に内蔵しています。小型軽量車の場合は、通常の制動用とパーキング用を共通の摩擦材で構成することができますが、中・大型車の場合には、摩擦材に対する要求特性が通常の制動用とパーキング用ではまったく異なってしまうため、ローター中央部に専用のパーキング用ドラムブレーキ(メカニカルロック)を組み込んでいます。
山間部の下り坂が続くところにはブレーキに何か不具合があったときに止めるための緊急避難所がありますが、そこへ突っ込めば本当に止まりますか?
JAFユーザーテストによると、上り坂に畑のように畝状に作った砂山でクルマを止めるタイプの緊急避難所では、時速50kmでブレーキをかけずに飛び込ませたところ、入り口から13m先で止まったようです。その時のクルマの状況は、ラジエーターが損傷して冷却水が少量漏れましたが、ドライバーは無傷でした。このテストでは、意外とクルマの損傷が少なかったことが上げられます。よってこのタイプの緊急避難所ではクルマを止めることができることが判りました。でもそうなる前に連続した下り坂を降りるときには、エンジンブレーキを活用してブレーキを過熱させることなく運転すること、又日頃の整備でブレーキパッドの摩耗量、ブレーキフルードの交換サイクルをよく確認しておくことが大切です。
下り坂をエンジンブレーキを使う場合と使わない場合ではどのくらいのブレーキ温度差がありますか?
前質問同様にJAFユーザーテストによると、長く急な下り坂を下るときにATポジションをDレンジとした場合と2レンジにした場合では、ブレーキを踏んでいた時間はDレンジがはるかに長く経過時間の約7割でした。そのときの温度は最高で410℃(フロント、ブレーキパッドのディスクローターに近いところに温度センサーを装着して測定)となりシフトダウンしたときは約120℃と3.4倍も上昇してしまいます。下り坂を下るときにはエンジンブレーキを有効に活用しましょう。
ディスクローター表面が荒れた場合、研磨する必要はありますか?
パッドが接触するディスクローターも当然パッドと一緒に摩耗するのでブレーキフィーリングの低下の原因と成り得ます。ディスクローターも使い込んでくると筋状に摩耗してしまいパッドのみ新品に交換してもパッドがディスクローターに馴染むまでは接触面積が少なく本来のパッドの性能を引き出す事ができない場合があります。そのために研磨することが必要となります。但しディスクローターにも摩耗限度がありますからよく注意して研磨してください。
レースの際にブレーキを冷却する方法は空冷以外にありますか?
一般的にはフロントからエアダクトをブレーキキャリパに当てて冷却していますが、更に最近ではブレーキキャリパ内部に冷却用フルードが循環する通路が設けられてオイルポンプでフルードを循環させてオイルクーラーにて冷却するものが登場しています。その際の冷却液は、ブレーキフルードだそうです。レースの世界ではどんどん進化しています。
レーシングカーのブレーキキャリパはオポーズドタイプが多く採用されていますが、なぜですか?
オポーズドタイプのキャリパブレーキは、2枚のブレーキパッドを各々のピストンによりブレーキディスクに押し付けます。それに対してフローティングタイプのキャリパブレーキは内側にあるピストンで内側のパッドを押し付け、その反力でキャリパボディの外側にある爪部が外側のパッドを押さえつけるために効き始めのタイミングが若干遅れます。この遅れは、通常の走行では全く気になるレベルではありませんが、レースの場合は、この僅かな遅れが、ブレーキを踏んでいる時間が長くなったり、制動距離等に影響してしまうことがあるために効きの遅れの少ないオポーズドタイプが採用されています。又レース中にパッドを交換する際に、上側のピンを抜けば直ぐにパッド交換が行えるということも理由の一つと考えられます。レースの世界は1分1秒を争う世界ですからこのような微妙なことでも大変重要になります。
ディスクローターのヒートスポットとは何ですか?
ブレーキパッドをディスクローターに押し付けたときに、その押し付け力が不均等な場合面圧が高いところが当たって仕事をするため、その当たった部分が局部的に温度上昇する現象をいいます。
高級車・スポーツカーには4輪ディスクブレーキが採用されていますが、大衆車・軽自動車はリヤにドラムブレーキが今でも採用されています。フロントブレーキは殆どがディスクブレーキとなりましたが、リヤブレーキにドラムタイプが残っているのは何故ですか?
ディスクブレーキは効きはドラムブレーキよりも悪いですが、安定性が高いためにフロントに採用されてきました。しかしコストはドラムブレーキに比べて高いため、大衆車・軽自動車クラスのリヤへはドラムブレーキが採用されています。
ブレーキパッドの慣らしは必要ですか?
ブレーキパッドの慣らしといえばディスクローターとパッドの当たりを摺り合わせによって馴染ませることです。お互いの表面がピッタリと摺り合うことで、本来の性能を発揮することができます。又ブレーキ鳴きも少なくなります。パッド交換をするとき、ディスクローターの表面はそれまで装着していたパッドにより筋があったり荒れている場合があります。その際は、ディスクローター表面を研磨することにより新品のパッドとの当たりをよくすることができます。
普通のクルマではブレーキをかけたときにフロントを先にロックさせていると聞いたのですがなぜですか?
ブレーキをかけたときに、リヤが先にロックするとクルマの安定性が損なわれるためです。現在生産されているクルマのほとんどがフロントが先にロックするようにセッティングされています。駆動方式によるブレーキ力配分は以下のようになります。

フロントブレーキ リヤブレーキ
FF(フロントエンジン・フロント駆動) 70〜80% 30〜20%
FR(フロントエンジン・リヤ駆動) 60〜70% 40〜30%
MR(ミッドシップエンジン・リヤ駆動) 50〜60% 50〜40%
カーボンが配合されているブレーキパッドがありますが、どのような特徴がありますか?
カーボンはどのようなブレーキパッドにも多かれ少なかれ配合されています。特にカーボン配合を強調しているパッドは、カーボンの特徴である耐熱性を重視したものとなります。ゆえにスポーツパッドにはこのことが多く語られています。但しカーボンを多く配合することにより、カーボンのもう一つの特徴である潤滑性のために摩擦係数が低くなる傾向があります。これを補うために研削材(スチールファイバー等)を入れて摩擦係数を高めた「カーボンメタリック」と読ばれているパッドも登場しています。摩擦材を構成する材料は、単品において各々のメリット・デメリットがあるため、配合設計によってパッドのトータルバランスを取っています。
アルフィンドラムとはどのようなタイプのドラムブレーキですか?
ブレーキで生じた熱を効率的に発散させるために、熱放熱性のよいフィン形状をドラムの外周上に設けたアルミ鋳造のブレーキドラムのことです。ブレーキシューの摩擦材の攻撃と内拡の圧力に耐えるために、強度と剛性を補う鋼製の補強板がドラム内周の摺動面に鋳込まれています。アルミを使うことによりばね下重量の軽減に貢献できるためディスクブレーキが普及する以前のスポーツタイプや高級車の前後輪に採用されていました。
PD型キャリパとはどのようなブレーキですか?
ディスクブレーキの一種でpin-slide disc brakeの略です。スライドピンをマウンティングブラケットに固定してディスクの外周に位置しないレイアウトです。構造が簡単でガタが少ないのが特徴です。
スポーツタイプのディスクローターで2ピースのものがありますが、メリットとデメリットはどのようなものがありますか?
ベンチレーテッドディスクローターの中で最も高性能を追求したのが2ピースディスクローターです。 メリットとしては、中央部のベルハウジングをアルミ製とすることによりばね下重量の軽減と放熱性の向上が上げられます。 デメリットとしてはディスクローター全体の強度が通常のタイプより劣るため、ラリーなどの過酷な使用をするモータースポーツでの競技ではあまり使われません。又ディスクとベルハウジングを止めるところにノウハウがあり、止め方によっては独特のガチャガチャ音が出るものもあります。
LT(リーディング・トレーリングシュー)タイプのドラムブレーキが小型車や軽自動車のリやブレーキによく採用されるのはなぜ?
LT(リーディング・トレーリングシュー)タイプのドラムブレーキは、二つのシュー(リーディング・トレーリングシュー)を組み合わせたもので、後輪に採用されることが多いです。前進時と後退時にそれぞれ安定した制動力が得ることができます。
又ホイールパーキング機構の対応が容易でパーキング機構内蔵のディスクブレーキと比べて構成部品点数も少なく安価なため、小型車や軽自動車のリヤブレーキに採用されています。
ブレーキで食付き感とはどういったものですか?
ブレーキペダルをドライバーが踏みはじめたときに、ドライバーが期待する減速度が瞬間に発生するかどうかのフィーリングをいいます。摩擦材の特性、ブレーキブースターの初期特性(ジャンプアップ)などにより変化して、適度の食付き感は安心感を与えるフィーリングとなります。この特性が強すぎるといわゆるカックンブレーキとなり、ブレーキのコントロールがやりづらくなります。また摩擦材のモーニングシックネス(関連Q98)特性が強いと、食付き感を異常に高めてしまいます。
トラックやバスに採用されている空気圧倍力ブレーキ(air-servo brake system)とはどのようなものですか?
重量のかさむ大型のトラックやバスのブレーキは、真空圧利用の倍力装置では制動力が不足するため、圧力の高い圧縮空気を利用した倍力装置を採用しています。基本原理は真空倍力装置と同じですが、シリンダー型のシェルにパワーピストンを内臓し、指令圧に応じてパワーピストン背部に空気圧を供給して推力を与え、連結した液圧ピストンを押してブレーキ液圧を増圧します。空気圧は、エアコンプレッサによりエアタンクに蓄圧した圧縮空気(8気圧程度)を使用します。指令圧にマスターシリンダーからの液圧を使用する場合とエアオーバーハイドロリックのように、ブレーキバルブからの空気圧を使用する場合があります。
シェイクバックとはどういう現象ですか?
走行中にディスクブレーキのキャリパーが軸方向に振れることによって、ピストンが戻される現象を言います。悪路を走行したときに発生することがあり、ブレーキペダルの遊びストロークが増加します。浮動式(フローティング)キャリパで発生がしやすく、固定式(オポーズド)キャリパでは構造上この現象は少なくなります。
中型トラックのフロントブレーキで1つのディスクローターに2つのキャリパブレーキが装着されているものがありますが目的は何ですか?
ブレーキパッドの耐摩耗性を向上することが主な目的となります。中型・小型トラックの一部に採用されています。ディスクローターの温度を下げるにはダブルディスク(2キャリパ・2ディスクローター)とする必要があります。
デュアルサーキットブレーキとはどのようなものですか?
ブレーキ装置が2つのグループに分割され、作動力が2系統の伝達装置でおのおののグループに伝達されるブレーキシステムです。スプリットシステムとも呼びます。マスターシリンダーをタンデム型にして、通常は全輪と後輪に、また前後輪でX字形に分割するが、前輪または前後輪のおのおのを2分割することもあります。2系統以上に分割する場合もあり、そのときはマルチサーキットシステムと呼びます。
複合型サーボブレーキシステムとはどのようなものですか?
異種のサーボシステムの組み合わせ(例えばバキュームブースターとハイドロリックユニットなど)で機能を向上させたブレーキシステムのことです。一例として、前輪側はマスターシリンダーの液圧をそのままブレーキに導く普通の回路で、後輪側はマスターシリンダーの液圧を検出してそれに見合った液圧をポンプユニットで発生させてブレーキに導くシステムです。
ペダルストロークの短縮化とバキュームブースター失陥時の制動力の確保が狙いで、主に中型トラックに採用されています。またハイドロリックユニットが補助的に働くものとして、バキュームが低下したときに液圧を高めるシステムや、通常時はバキュームブースターを働かせて、急ブレーキのときには液圧を高めるシステムがあります。
ブレーキアシストとはどのようなことをしているのですか?
パニックブレーキの際に通常よりも高いブレーキ液圧を発生させる装置で、大きなブレーキ踏力が出せない、強い踏力を維持することが出来ない一般ドライバーの制動力確保(制動距離の短縮)を狙ったものです。ブレーキアシストには機械式と電気式があります。
機械式は、バキュームブースターの倍力勾配を2段階として、高い減速度に対する踏力を大幅に低減する2レシオブレーキタイプが主流で、他にブレーキブースターの操作速度が設定値以上であれば、ブースターの出力を全開にするオペレーティングロッド速度感応タイプがあります。
電気式は、パニック時の高いペダル操作速度に着目して、センサーで検出したストローク速度が一定の条件を超えたらシステムを作動させます。システムは、バキュームあるいはハイドロリックブースターの出力を増加させるもの、ABSあるいはDSCをベースとしてハイドロリックユニットで液圧を増加させるものがあります。機械式に比べて、きめ細かい判定が可能である一方追加部品がありコストは高くなります。機械式、電気式ともに乗用車を中心に普及しています。
ブレーキパッドの全摩耗とはどのような状態を言いますか?
ディスクブレーキパッドの摩擦材がすべて使われて摩耗した状態を言います。この状態でもキャリパのピストンが抜けないように余裕を持って設計されています。また安全基準でマスターシリンダーリザーバーのブレーキ液がこの状態でも残っているように規定されています。
実際には全てのパッドが均一に摩耗することは少なく、一般的にはパッド単体で偏摩耗やパッド相互の摩耗差があるため、パッド残り代が2mm程度を有効全摩耗として扱っています。
ブレーキファクター(BEF:brake effectiveness factor)とはどのような係数ですか?
ブレーキ機構の入力とブレーキ摩擦面の接線力との比で、ブレーキ機構による力の増幅率を表します。ブレーキファクターは摩擦材の摩擦係数(μ)と自己サーボ作用の大小によって決まり、ブレーキの形式により違いがあります。ディスクブレーキは自己サーボ作用がないのでμと比例関係となり、効きが安定しています。ドラムブレーキはブレーキファクターが高く効きはいいのですが、μの変化に対する効きの安定性が劣ります。
ブレーキライニングとはどの部分の名称ですか?
ブレーキシューを構成する部品で、ドラムに直接接触させて制動力を発生させる摩擦材を言います。通常はドラムブレーキの部品を指しますが、ディスクパッドをライニングと呼ぶことがあります。
ブレーキライニングインジケーターとはどのようなものですか?
ドライバーにブレーキの摩擦材が限界近くまで摩耗してきたことを知らせるための警報装置です。通常は、摩耗が早い前輪のブレーキパッドに装着されることが多いです。摩耗が進んでくると、機械式は異音、電気式はランプの点灯で知らせます。
ウォーターフェードとはどのような現象ですか?
冠水した道路を走行する場合などで、ブレーキの摩擦面が水に濡れてそれにより潤滑作用を起こして効きが一時的に低下する現象を言います。ディスクブレーキは自己サーボ作用がないため一般にドラムブレーキに比べて効きの低下が少ないです。反面、ディスク面が露出しているため、強雨時に高速で走行すると水しぶきがブレーキを濡らして、この現象を起こすことがあります。ちなみにこの現象からの回復をウォーターリカバリーといいます。
浮動式キャリパブレーキとはどのようなタイプのブレーキですか?
フローティングタイプを日本語で表現したものです。他にピンスライド式とも呼ばれます。ちなみにオポーズドタイプは、対向型、固定式と呼んでいます。
オポーズドタイプのブレーキはコストが掛かっていると聞きましたがなぜですか?
オポーズドタイプのブレーキは、パッドを両側に配置しているピストンで押しているタイプのブレーキです。
そのためピストンはフローティングタイプに比較して2つ以上あり、それにともないシールやブーツも倍の数量となります。あわせてボディの加工もダブルとなるためコストが掛かっているといわれます。
産業機械用のブレーキでネガチブレーキというのがあると聞きましたがどのようなブレーキですか?
自動車用のブレーキは油圧を掛けるとピストンがパッドを押してブレーキが掛かる構造となっています。このタイプをポジブレーキと言います。自動車用とは逆に、ネガチブレーキとは油圧が掛けるとブレーキが開放されるタイプを言います。
通常はスプリング力でブレーキを掛けています。ブレーキを解除するときには油圧を掛けます。
産業機械(クレーンの巻上げ・旋回ドラムなどのブレーキ)は作業の安全性を重視してこのタイプのブレーキが採用されています。
ディスクブレーキパッドですが、よく見ると摩擦材のところにスリット(溝)があるものと無いものがあります。この溝がブレーキにとって大変重要な役目を果たしていると聞きましたがそれはどの様な役目ですか?
スリットはブレーキ鳴きの防止やパッド部を分割する事によって初期当たりを良くする効果がある・・・という事です。もちろんカーメーカーのコンセプトでスリットのないものもありますが。リヤーパッドはブレーキの負荷や面積が小さいなどフロントに比べてスリットは少ないようです。全車種から見てみますとフロントで約80%の車種、リヤーは約30%の車種にスリットが施されています。パッドやロータの摩耗粉は鳴き要因の一つと考えられるためロータとパッドの摺動面に介在する摩耗粉をスリット部で掻き落としブレーキ鳴きや振動を軽減している訳です。一部に斜めにスリットがあるのも見られますがスリットがある車種全体からすると約3%です。斜めスリットは鳴きと言うより低周波の鳴きに効果があるようです。
ブレーキを整備される際、スリット部に摩耗粉や泥が詰まっていたらできるだけ清掃することをお薦めします。
緊急の場合パーキングブレーキでクルマを止めることができるでしょうか?
パーキングブレーキの本来の目的は、名前の通りクルマを駐車した際に動かないように止めておくためのものです。レバー(最近はフットペダルのものもあり)を引くとケーブルが引っ張られてブレーキが機械的に掛かります。日本の法律(道路運送車両法)では20%の坂でも動かないように、初速30km/hから減速度1.5m/s2以上又は26m以内で止まるように定められていますので、速度さえ30km/hぐらいまで落とせれば止めることは可能です。
冬になるとディスクロータ表面に黒い斑点が。この斑点の正体はなんでしょうか?
積雪の多い地域にて、冬期に凍結防止用として散布される融雪剤(塩)により、ディスクロータが錆び、制動時の熱などで黒錆となってしまったものです。通常、軽度な錆ならばブレーキを掛ける事により削り取られてしまうのですが、根の深い頑固な錆は制動時の熱で酸化が進み、黒錆となってしまうのです。そのまま使用すると、ジャダやパッドの早期摩耗に繋がりますので、ロータ研削/交換をお勧めします。
融雪剤の散布量は年々増しており(2002年総散布量2000ton 95年比1.5倍)、塩害により車両下回りの腐食が車両にダメージを及ぼし、故障に至るケースも多々あります。

※最近では車両取扱説明書に、融雪剤が散布された道路を走行後は直ちに洗車する様に記載されるほどです。

車両を長持ちさせる為にも、こまめな洗車やタイヤを履き替える際に車両の下回り(足回り)の清掃・点検を心がけましょう!
雨の多い季節や、寒い時期『朝ブレーキ踏んだ時だけ、ブレーキ鳴きする』『始動後、一回目のブレーキだけ効き過ぎる』、この季節になると上記のような現象が増えるのでしょうか?
パッドやロータに湿りっ気があると、お互いの密着性が上がってしまい、効きが高くなり鳴き易い状況を作ってしまうからです。
その素となるのが、梅雨の季節であれば湿度の上昇であり、寒い時期であれば結露なのです。
なかなか自然は強敵です。
世界規模で協力しあって自然保護活動への取り組みが進められています。自動車業界も例外ではなく、ハイブリッド車の普及や燃料電池車の登場により燃費向上・排出ガス低減などと共に製造段階からの環境対応も行われつつあります。ブレーキとて例外ではありません。ブレーキは将来どのように変わろうとしているのでしょうか?
ブレーキはというと…、キャリパなどの金属部品の防錆処理として従来は六価クロムを使用してきましたが昨今六価クロムの使用を廃止し、代替技術への取り組みがなされています。
環境問題を考えてゆく上で、製造業として考えなければいけない点として、使用過程における環境への負担ももちろんですが、廃棄される段階での事も折り込んだ製品開発が必須となっています。自動車の場合ですと、使用済み車両のリサイクル率をどれだけ上げられるか?廃棄物の低減が図れるかが課題です。
現在の自動車業界全体の取り組みとして環境に悪影響を及ぼすとされる重金属4物質(鉛、水銀、カドミウム、六価クロム)の使用廃止に力を注いでいます。
ある車でジムカーナレースに参加、サイドターンをしたら数分後に販売会社から車が故障していると携帯に連絡が入りました。持ち主は目の前にある愛車は故障していないのでビックリ!! こんな事が本当にあるのでしょうか?
最近の車両の中には、車両の異常を検知するたくさんのセンサーが取り付けられていて、重大な事故につながる前に車両自らが故障をセンターに連絡して販売店を経由して持ち主に故障の連絡がいくシステムが導入されているものがあります。
ジムカーナでサイドターン(サイドブレーキを使ってターンをする技術)を行ったため、車両が走行中にサイドブレーキが作動したという事で車は自分が故障していると判断してしまいました。
これは本当にあった事で連絡を受けた所有者もビックリだったそうです。

※今回の車両は、電気式のパーキングブレーキを装備したもので、その機構の誤作動(故障)と車は判断したそうです。
ディスクブレーキは、ディスクローターをパッドで挟んで止めます。そのためディスクローターとパッドは擦れ合いディスクローターの表面は綺麗な金属面となりホイールの隙間から見えるときがあります。このディスクローターですが、ホイールの中を覗いて見たところ、いつの間にかレコード盤のような傷(摺動方向に平行)が発生!
一体原因は何でしょうか?
その傷はスコーリングといいます。発生の原因は、

1. パッド原材料による影響
研削成分が熱履歴を受けることにより酸化し、ロ−タ材質より硬くなるためスコ−リングが発生する。
2. ディスクロ−タによる影響
削られたディスクロ−タ(鉄分)が、パッド摺動面に付着し同種摩擦により摩耗が促進しスコ−リングが発生する。
3. ダクロの影響
防錆塗布してあるダクロの一部がパッド摺動面にかみ込みディスクロ−タを削る。
4. 外的要因
走行中に砂,砂利等がロ−タとパッドの間に入り込みディスクロ−タを削る。

ディスクローター表面は、平滑であることが性能を発揮する条件のひとつとなります。
スコーリングが発生したらすぐに上記項目を確認してください。症状がひどい時はディスクローターの研磨(最小厚みに注意)とブレーキパッドの交換をお願いします。
ブレーキ周りの交換部品といえば、ブレーキパッド・シュー、フルード、ゴム部品です。ゴム部品の中には「シール・ピストン」と言うものがありますが、何の変哲もない、ただの丸いゴムに見えるシール・ピストンがブレーキにとっては非常に重要な働きをしています。ずばりこの「シール・ピストン」の機能とは何でしょうか?
「シール・ピストンとシール溝の働き」

1. ブレーキ液の漏れを防止する機能(ピストンシールで気密性を確保する)
ブレーキ液が漏れると、ペダルストローク増加(ペダルフィーリング)となり最悪ノーブレーキ状態に至ります。
2. 液圧解除後のピストンを適正な位置に戻す(引きずりが発生しない軸方向の適正パッドクリアランス確保)
ゴム(シール)の弾性を利用して、制動後のピストンを適正位置に戻します。ピストン戻り量が多いと、次の制動時ペダルストロークが深くなります。
3. ディスクブレーキのオートアジャスター機能
パッドの摩耗に対し、ピストンは追従しながら前に出て、常にペダルストロークの変化がでない様にする機能。
ピストンシールはシール溝に組み込んだ時のシメシロ(ゴム弾性)と、シール溝の前面取り量と面取り角度でピストン戻り量を調整しています。
4. シェイクバック・ノックバックを防ぐためのピストン抵抗値確保
走行時に発生する路面からの振動(シェイクバック)、旋回時(ノックバック)のロータ倒れ及び横Gによってピストンが戻される現象を防ぐための抵抗値確保。
ピストンが上記現象によって戻された状態下(パッド〜ピストンのクリアランスが大)で、次の制動に入るとペダルストロークが深くなりブレーキが効かないと運転手が感じます。
ピストン抵抗値を上げすぎると(ピストンシールシメシロUP:溝浅orシール厚みUP)、ノック&シェイクバックに対しては効果出ますが、シール機能(ゴム弾性)が不安定となり種々の不具合現象が懸念されます。
(ピストンの戻りすぎ=ペダルストローク大or戻らない=引きずり発生)

ゴムでシメシロが大きすぎるとゴムの弾性特性が低下します。シール溝内のシールに置き換えて表現すると、ゴムは弾性効果のでない状態で突っ張ていると仮定されるため、シールとピストンの関係はゴムの戻り効果のでない領域(限界値)となります。以上から、加圧するとシールとピストンは滑り、クリアランスを潰した状態=引きずり大となるケースも発生します。

たかがゴムのリングですが、ブレーキという重要な機能をつかさどる部品です。定期的な点検は欠かせません。
ヒルスタートアシストは坂道で停止した時にブレーキをかけて確実に停車する機構です。最近このヒルスタートアシストが付いている車が増えてるのはなぜですか?
近年、排出ガス量低減のながれから、アイドリング時のエミッションを下げたCTVの採用が増えた為、以前ほどクリープ力が無くペダル踏み換え時、坂道でのずり落ちがあり追突防止のためにも必要性が出てきました。
EBD採用車(現行車はほぼ?)では容易に導入出来ることもあり、今後標準化される傾向にあります。
これに付随する話として、低速域での負圧不足による効き不足の問題が、各社あるようで、パッドの高μ化の傾向は欧州思考だけではなく環境問題の一端を担うものになりつつあります。