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ELFくん
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これまでの私の愛車は6台。定期的に買い換えているかと言えばそうでもなくて、最も長い付き合いだったBMW325iカブリオーレは7年間も所有し、心底、誰よりも愛していた。それと同時に初代スバル・インプレッサRAというバリバリの競技用モデルも購入し、イジり、ダートトライアル場で泥んこドライブを楽しんだ時期もある。
6台のなかで最も特異ジャンルの一台が今日の主役。いすゞ・エルフくんと私のドラマティックな日々をご紹介したい。
エルフくんの年式はわからない。でも古くはなかった。「3万円でいいよ」という前オーナーの気前のよさに「ラッキー!」と言わないはずがない。ところがこの縁談話が持ちかけられたとき、彼はすでに大きな事故をし“事故車をオコした(直した)”という傷を負った車輌であると説明された。「どうしよう…」。一瞬迷った。彼とのお出かけは自分のレース車輌を乗せて向かうサーキットかメンテナンスガレージ。走行面では何の問題もなく、むしろエンジンもミッションこなれていて調子がいいくらいだったので問題ない。ただし何も載せていないとき、エルフくんの荷台は右に傾いている。「大丈夫なのか、エルフくん」。ところがマシンを載せるとピシッとフラットになる、そんなところに私は「凄い!」と惚れてしまったのだ。昔の家の、叩けばスムーズに動く雨戸みたいな感じだ。
そんなわけでレースに向かう道中は私とエルフくんとの最も素敵な時間だった。私の背中には大切な大切なレースカーが載っている。自分のマシンをトラックに載せて走る…、それがまた好きだった。サーキットに意気揚々と出かける朝、レースを終え、思うような結果が残せずシンミリと渋滞にはまりながら東名自動車道をガレージへと向かう夕暮れ。エルフくんのハンドルを握りながらいろんなことを考え、癒された。
いすゞ・エルフは私にとって単なるトランスポーターとドライバーという関係を超え、共に青春時代(普通の人より遅めだけど)を駆け抜けたドラマティックCARである。エンジンをかけたときの振動や音、シフトフィールまで今でも鮮明に覚えている。空荷のときの軽快さや荷台に積んだマシンの重さ、そしてマシンをいたわりつつ走っても発生するわずかなロールも愛おしく、忘れられない。
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