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乙女心とGT-R  

私は、(もうイイ歳した)オンナだ。それでも時々、スイッチが入るとオンナオトコになる、と思うことがある。それはやっぱりクルマに乗ったときなんだけど、どんなクルマでもなれるわけではない。その瞬間は突然やってくる…。

今さらながら新型GT-Rに初めて乗った。スイッチが入ったのはまさにGT-Rのメインスイッチを入れたときだった。まず、ブゥオンというエンジン音が心に刺さった。それは一見するとGT-Rなんだから当たり前だろうと思うかもしれないが、仕事柄どれだけ事前インフォメーションが与えられてあろうと、いくら“いかにも”な容姿を持つクルマであっても、エンジン音を聞いたくらいでそう簡単にスイッチが入るわけではない。重低音のそれが好みのタイプだったとしか言いようがない。

続いて、数百メートル走ったところでデフのヴィ〜ンという音や、ギヤがカッチ、カッチと切り替わる音が聞こえてきた。鉄板を伝わることで生まれるリアルなメカニカル音がたまらない。思わず「クゥーッ!」っと歓喜の声を漏らしてしまった。私に刷り込まれているレーシング魂もついに点火! ボディの剛性感と硬い乗り心地、それにちょっと重めのステアリングフィールにも煽られて、盛り上がる気持ちはもうどうにも止まらない、夕方の目黒通り。

そう、周囲のクルマの流れに任せてただ走っただけででもこんなに熱くなれるGT-Rはやっぱり凄い。“デザインのニッサン”も賛成だけれど、GT-Rには体育会系“走りのニッサン”の原点が見える。これぞニッサン、ウォ〜ッ! こんな雄たけびをあげてしまう私はやっぱりオンナオトコではないか? それとも、違いのわかるオンナ? ただし、傍からは少しでも真っ赤なGT-Rの似合うイイ女に見られようと、涼しげな顔をして運転する努力はしていた。スポーツカーに乗るオンナにも乙女心はあるのです。それすらも忘れてしまう瞬間があるけれど、それはまた今度…。