岡小百合コラムTOP


   
勝手にカーオブザイヤー  

年の瀬が押し迫り、各業界ともにこの1年を総括する企画も結論が出揃った。残すはレコード大賞のみ、でしょうか。

クルマ業界もご多分に漏れず。あちらこちらの“村”で選ばれた今年のベストカーを見渡してみれば、それなりに納得できるものの、何となく「本家本元なのさっ!」な薫りただようCOTYで、TOPにのし上がったのがレクサスだっちゅう結末には、ププっと笑ってしまった。

レクサスはいいクルマだ、とは思う。レクサスにロマンを感じる人がいることも、否定はしない。が、「自分らしさ」にこだわる今どきの大多数の消費者が、背伸びを必要とするレクサスに、ロマンや憧れを感じる生活を、夢見ていなけりゃ求めてもいないのは本当のことだ。っていうか、古すぎるわね、ああゆう価値観。

少なくとも、消費の世界をリードする女子の気持ちは、汲み取っていただけてませんよね? で、遅ればせながら考えてみた、私の2006ベストカー。その栄誉に輝いたのは……三菱iだ。

「あえて王道からちょっとだけハズれたいいモノ」を探すのが、最近のおしゃれな女子の消費傾向だ。クルマとて例外ではなく、だから「エスプリ薫るルノーやプジョー、あるいはFIATやアルファロメオのイタリア娘あたりで、わくわくドキドキしてみたい」のが本音だろうと思う。けれども一方で、「最近のラテン・グルマは壊れないと聞くけれど、うーんやっぱりちょっと不安」であるのもホント。

つまりは、「パリジェンヌやミラネーゼぐらいおしゃれで、カンペールのスニーカーぐらいに大人カジュアルで、なおかつSEIKOの時計みたいに安心して信頼できる1台」を求めているのだ。そしてそんな女子多数の切実な思いがすぱっと鮮やかにハマる先、それこそが三菱iだと、私は感じている。

何たってあの、軽自動車のワクにおさまらない斬新にしてナチュラルなスタイリング。それでいて、軽のワクを逆手にとった、カジュアルなインテリア。リアミッドシップっつう、本格的に聞こえるテクノロジーも、そこはかとなく本物志向の乙女心をくすぐってくれるし。そのお陰で獲得した小気味いいハンドリングは、感覚と感情にピピっとくるほど楽しいんだし。

クルマでモテようと思うこともなければ、クルマで見栄を張る必要もない女子にとっては、黄色いナンバーも汚点じゃあない。むしろ、「これしか欲しくない、と感じたクルマがたまたま黄色いナンバーだった」なんてさらっと言えるような、いい意味でのこだわりのなさは、かえってステキだ。

ん〜今年は、三菱iを12回もこの連載に登場させてしまった。それほどのクルマに出会えた年だった、と言い換えることもできるけど。2007年はどんなクルマに、そしてそれ以上に、どんな「クルマ好き女」と出会えるのだろうか。ドキドキわくわくとしながら、2006年にさよならです。皆様、良いお年を!来年もよろしくお願いします。