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ハッチバックはこう使うA  

そんなわけで、娘ふたりとその友達、プラス私の合計4人で、長野県のリゾート地、蓼科まで、春スキーに行ってきました。

それにしても、その車中の、すさまじかったの、すさまじくなかったのって。何しろ、中学生の長女はもちろん、まだ小学生の次女さえ、身長も体重もすでに大人並みに達しているのだ。つまり、物理的な事実上、大人4人を乗せた我がハッチバック・コンパクト。大人4人分×2泊分の荷物――やたらとかさ張るスキーウェアやスノーブーツはもとより、おしゃれ心が芽生え始めたコ娘ならではの、「そんなに服持って行って、一体どこで着るんだぁっ!」と叫びたくなるような、とても2泊分とは思えぬ大バッグ、もろもろ――を、ラゲッジルームといわず、シートといわず、床といわず、とにかくスキあらば詰め込んだ。仮眠用かつ防寒用のブランケット人数分も載せ、私のスキー板もどうにかこうにか積み終わり、バスっとリアゲートを閉めてみたら、後方視界が極めて悪い、立派なヨーロッパ・バカンス風情のクルマに仕上がっていたのだ。

押し合いへし合いするような格好で、とにもかくにも走り出してみれば。荷物を誰の領域に置くかで姉妹ゲンカが始まったり。運転者たる私のお気に入り曲がかかると、決まって誰かのケータイから、毒にも薬にもならないJ−POPの歌が流れたり。同級生のウワサ話が、めでたくオチを迎えると、コ娘ならではの高音大音量で、ギャハハハハと笑いあったり……。まあ、もう、とにかく、3時間の道程は、まるで金太郎飴のごとく、ずうっとそんなテンションのまんま。遊びたい、でも休みもしたい!と、自然の懐に抱かれる休日を期待しつつ、ハンドルを握っていた私は、それが片思いにも似た淡い夢であったことを、すでに国立府中あたりでもって、悟ることになったのだった。

しかし、無残にも夢散った一方で、思いがけないHAPPYを見つけ出したのは、ケガの光明ってやつか。あるいは「転んでもタダじゃ起きないヤツ」と、友人一同が褒めてくれるほど、私の性格がいいからか? スムーズでスマートな電車バカンスなら、時には全員がニンテンドーDSと向かい合うだけ、になっていたかもしれない移動の時間が、丸ごとコミュニケーションだったのだから。お陰で、娘たちのイキイキとした笑顔を、バックミラー越しにたっぷりと満喫できた。だけでなく、あの子のこんなクセや、あんなママのこんな話も聞けちゃったもんネ。イヒヒ。

クラッチのつながる位置が、いつもと違ったのは、クルマならではの自由の軽さと引き換えに積み込んだ、クルマが生み出す「つながり」の重さのせい……否、「お陰」だったのだ。