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怠惰なアクティブ女 |
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| 前回までのこのコラムに書いたとおり、日常の足として都市のアスファルトの上を日々駆けるのはもちろんのこと、夏の海にも冬の山へも、私はクルマを走らせる。家族で遊ぶためにハンドルを握るという、フツウ、お父さんの役目でありそうなことをやったりしているものだからか、「タフだねぇ」「アクティブだよね」などと言われることも少なくない。それが賛辞なのか、物好きと言いたいだけなのか、はよくわからないが。 |
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だけど、実は、「タフ」かもしれないが「アクティブ」ではない、というのが丸裸な私の正体である。その証拠に、趣味のひとつは眠ること。何もしなくていい、と言われたら、本当に何もせず、ハッピーな妄想で頭の中をいっぱいにしながら1日中といわず、2日だって3日だってお布団の中で幸せに過ごし続ける自信があるほどだ。
だからクルマで遠出するのは、単に運転が苦にならないだけ。荷物を積んで大勢ででかけられるという、クルマにとって一番大事な正義を行使しているだけ。もっといえば、大きな荷物を抱えてヨイショっとやりながら電車に乗ったり、電車の出発時刻より少し早めに到着してホームで電車を待ったり、切符をなくさないようにドキドキしたり、そういうことをするほうが面倒で難儀だ、と感じているだけ、なのだ。 |
| クルマなら、10分寝坊してもちょっと渋滞に巻き込まれるかもしれないなって程度の心配をすれば済む。こ腹がすいたら、すいたときに、一番近いサービスエリアに飛び込めばよし。あるいは、レールの上を走る電車と違って、どんなルートで行こうか、走りはじめてからだって、いつでも道順変更できる、というフレキシブルさも、「イージーでフレキシブルでいい加減だ」と、友人から褒められるような私にとっては、しごくありがたい。渋滞回避という合理的な目的ばかりじゃなく、あっちの桜はまだ散っていないはずだからとか、こっちの山並みを見ながら走る気分は爽快なのヨとか、とにかくあらゆる感覚でもって、道のりを選ぶことができる、という点も気に入っている。 |
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| そういうクルマの利点を生かして、たとえば予定よりひとつ手前のインターで降り、ちょっとした遠回りをしてみるのも楽しい。時には、そうした選んだ道の途中で、たまたま飛び込んだお茶屋さんが大アタリだった、なんて嬉しいハプニングに出会うこともある。そんな風にしてであった1軒のレストランは、実際に、私のお気に入りの店のひとつに加わり、八ヶ岳方面へ出向く機会があると、「ローストチキン食べようよ」が、我が家の合言葉になっているほどなのだ。 |
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| そんな具合に、物理的にも精神的にも便利だからクルマででかけているだけであるにも関らず、アクティブだとかタフだとかって言われるのは、「クルマを運転する女」という記号に、これほど女性ドライバーが増えた今なお、「外向きで自由で意志があり、好奇心旺盛」といったようなイメージがついてまわっているからだと思う。実は怠惰にしてグータラな私にとっては、ありがたい大誤解、かつ、嬉しい固定観念だ。 |
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