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2004年 2月  
 あなたの車が「目撃者」となる日が近い 2004/2/6 

自動車用「ブラックボックス」の真実


 考えたくないだろうけど、まあちょっと想像してみて欲しい。あなたが運転中、事故にあったとしよう。あなたと相手のドライバーの話が食い違っている。お互いに自分の正当性を主張しているけど、聞いていた警察はどちらも信用しないで、こう言うんだ。「もう、いいよ。クルマに聞いてみることにしよう。」
こんなの、まさか現実になるはずはない、と思う?

 でも、ターミネーターが政治家になってしまったアメリカでは、もうすでにクルマにも航空機なみのブラック・ボックス(記録装置)が使われ始めている。そう、よく墜落事故なんかの時に、見つかったとか見つからないとか言われるあのブラック・ボックスだ。

 昨年6月、エドウィン・マトス君はフロリダで追突事故を起こし、懲役30年の判決を言い渡された。相手のクルマに乗っていた十代の女性2人を死亡させたからだ。彼のポンティアック・グランダムには、イベント(事故)データ・レコーダ(EDR)、つまりブラック・ボックスが搭載されていて、その記録が彼にとっては不利な証拠となってしまった。

 これには、事故当時の時速、いつ、どのくらい減速したか、エアバッグが作動したか、つまり、どの位ブレーキペダルを踏んだか、が記録される。エドウィンは衝突寸前、時速170km/hを出していた。

 サンデータイムズ紙によると、アメリカではすでに2500万台にこのEDRが搭載されている。でも、「ほとんどのユーザーは、そんな装置があることさえ知らず、ましてや自分のクルマにそんなものがついているとは、思ってもいない」と語るのは、アメリカに拠点を持つ電子プライバシー情報センターの弁護士、デイビッド・ソーブル氏。「たとえ、自分のクルマにEDRが着いているとは知ってても、どんなデータがそこに記録され、誰がその情報にアクセスするのかまでは、知らないはず」。

 EDRの通常の役目は、クルマのついている数々のセンサーのデータを集めて、いつエアバッグが作動すべきかを決定すること。だから、ジョージ・オーウェルの名作「1984年」に出てくるビッグ・ブラザーのように、ドライバーを常に監視するのが本来の目的ではない。


 EDRは情報の記憶もするが、働いているのは、作動1回につき数秒だけ。メモリは周期性なので、記録はずっと上書きされていく。ただし、衝突が起きた場合、事故直前の数秒感は記録に残される可能性がある。
「まるで、お巡りさんを後席に乗せているようなもの。プライバシーの侵害だと思いますね」と言うのは、弁護士、ボブ・ワイナー氏。

 でも、悪いことばかりじゃないよ。あなたを救ってくれる場合だってある。イギリスでは最近、このブラック・ボックスの記録を証拠に、スピードカメラによる速度違反の起訴を取り消させた例がいくつか出ている。交通安全担当の筋からは、これが搭載されているとドライバーが慎重になるだろうと期待もされている。アメリカのNHTSA(全米道路交通安全機関)に調べによると、車にEDRが搭載されることによって、事故数が確実に減ってきているそうだ。

 ドイツの報告では、ブラック・ボックスが着いているクルマだと、事故が著しく減るんだそうだ。みんなが安全運転するようになるし、それに保険が安くなるというメリットも! 3年から5年の間に、世界中の全新車に搭載されるようになると、専門家たちは予想している。
 
日本では?

 では、日本ではどうかというと、実は1999年から高級車にはすでに使われている。トヨタの話では、「99年から、セルシオとクラウンなどの高級車に搭載していて、2、3年以内に全車種にも順次搭載していく予定」だそうだ。日本ではEDRは、エンジンの回転数、アクセルペダルがどのくらい踏まれていたか、ブレーキランプが点灯していたかどうか等、事故直前の5秒間のデータを記録する。

 メーカーがこれを取り付ける理由は、衝突の際にエアバッグの誤作動があったどうかを調べるためだという。あくまでもメーカーが事故車を調査し、以後の安全性を高めるために装着されている。だから、EDRが多くのクルマに搭載されていることは、日本ではこれまで一般ユーザーには知らされていない。トヨタによると、「海外のようにまだ日本では裁判にこの情報が使われたとは、聞いていない」という。つまり、裁判にEDRのデータが提出された例はまだなく、保険が安くなるというメリットもない。

 しかし、この機器にはもっといろいろな用途があるということも認識されてきているので、そう遠くないうちに標準的に搭載されるだろう。幼稚園で教えられたよね、誰かが見ていても、いなくても、正しいことをしなくちゃいけません」って。

 カルロス・ゴーン氏、バイクと衝突 2004/2/6
先週日曜の都心で、車とオートバーのちょっとした衝突事故があった。ライダー2人が軽傷を負った程度だったし、車の運転手も無事で、普通なら新聞に乗るような事故ではない。だけど、運転していたのが、あの日産自動車のカルロス・ゴーン社長だったから、びっくり。いや、ご本人も驚いただろうし、現場では負傷したライダーも、やってきた警察官も相手がゴーン氏だと分かった瞬間、記念写真を撮りたい程びっくりしただろう。しかも、運転していたのは、ポルシェ911!。(「あれ、日産車じゃないんだ・・・?」と思っただろうね。)


 ゴーン氏と言えば、業界でも実行派、行動派社長として知られる。新車の発表会でも、自ら舞台にあがって紹介するし、出来る限り自分でライバル車を試乗する。彼の日本語力は、基本的な会話が出来る程度だが、彼にマツワル本は日本でも10冊以上は出版されていて、「Turnaround:いかにして日産を救ったか」(David_Magee著)が世界でベストセラーになっている。工場に出現すれば、企業の社長というよりロックスターのような熱烈歓迎を受ける彼は、日本でもっとも有名な在日外国人と言えるだろう。

 さて、この日の朝、ゴーン氏は日産の評価部から、テストのためにポルシェを借り、都内の道をクルーズしていたのだった。

 この、「ゴーン氏が自らポルシェ911を試乗していた」ということが、自動車ジャーナリストや業界関係者の関心を集めた。折しも日産の研究・開発が、新GT-Rという次世代ハイパフォーマンス車の2007年発売にむけて、そろそろエンジンとデザイン等を決定しようとしているところだ。この新GT-Rは、日産が初めて全世界に送り出すスーパーカーとなる予定で、成功をめざしてのゴーン氏は、「最良のパッケージングを完成させる」ことにきわめて執心しているという。だから、メイン・ライバルとされる911をゴーン氏がテストしていても、不思議はない。話題性としては、衝突事故でなく、こちらの方がインパクトがあった。つまり、本人が911を試乗していることがバレてしまったわけだ。

 映画「サンダーバード」の主役は「サンダーバード」! 2004/2/20

ロールスロイスの好むレディ・ペネロープがいつ乗り換えた?

これまで映画に登場したクルマのなかで、あなたの印象に一番強く残っているのは、どのクルマだろうか? 「タクシー」や、「ワイルド・スピード」までいかなくても、クルマは登場人物のキャラクターを表す大事な役割を持っている。アクション映画「ブリット」では、スティーブ・マックィーンがサンフランシスコの街をマスタングで疾走した。ミニの軍団が曲芸的な走りを見せてくれたのが、「ミニミニ大作戦」。主演はイギリスの名優、オースティン・パワーズのモデルともなったマイケル・ケインだった。

 「007ジェームス・ボンド・シリーズ」では、例外もあったけど、ボンド・カーといえばアストン・マーチンだ。特に「ゴールド・フィンガー」でのDB5に魅せられた人も少なくないはず。最新作では、セクシーなDB7だけでなく、ジャガーXKR、そしてフォード・サンダーバードも登場。アストン・マーチンがフォード傘下に入ったおかげで、こんな豪華なモデルを拝見できるようになった。

 僕的には、ボンド・カーとなる2005年発表のアストン・マーチンAMV8を楽しみにしているんだ。


 ところで、サンダーバードといえば、60年代を風靡したあのテレビシリーズ。「Thunderbirds_are_go!」でお馴染みの「サンダーバード」(国際救助隊)が、初めてアクション映画化されることになった。優雅で賢いペネロープ嬢のかつての愛車は、ピンクのロールスロイスだったが、今度はフォード車となった。

 フォードの広報部によれば、「そのモデルは、フォード・ヨーロッパのチームがデザインしたが、作ったのはユニバーサル・スタジオが連れて来たチーム」とのこと。やっぱり、撮影に使うクルマはその道の専門家に任せたほうがいいようで、ジェームズ・ボンド・シリーズ歴代のクルマを作ってきたパインウッド・スタジオが担当した。


 つまり、クルマのボディはハリボテ。でも、搭載しているのは、フォードのエンジンだ。同社の広報部は敢えてどのエンジンかは明言しなかったけれど、おそらくサンダーバードのV8っぽい。実は、噂によれば、最近の007映画と同様に、「サンダーバード」にも他のフォード車が数台出るそうだ。続編も制作されるだろうという状況の中で、フォードにとってこれほどのマーケティング作戦はないだろう。

 さて、レディ・ペネロープの愛車のナンバー・プレートは「FAB 1」、つまり最高にカッコイイ、という意味。車長が8mというから、既存のシャーシは使えない。映画の中の設定では、このクルマはジェット機にもハイドロフォイルにも「変身」することになっているから、作成チームは苦労しただろうな。あなたもチョーカッコいい(fab!)と思うかな?。

 これが一番注目されるのは当然だけど、その他の国際救助隊員たちのクルマも、もちろん、すべてフォード車。

 イギリスとセイシェルズで撮影の行われた実写版「サンダーバード」は、今年の夏に公開予定。ついでに言うと、日本での上映を成功させるために、トレイシー家の面々の吹替えは「V6」が起用されたんだって。


初ドリフトは「ベン・ハー」?


おまけなんですが。ついこの間、映画史上たぶん初のドリフトを見つけた! 何だと思いますか? それは、古典的スペクタクル映画「ベン・ハー」!。クライマックスが、古代ローマでの4頭(4馬力!)だての競馬なんだけど、そこで疾走する馬に引かれて、ヘアピンでめいっぱいドリフトする選手がいるんだ。1959年の制作だから、これ以前の映画にドリフトはなかったんじゃないかな。

 海外の雑誌広告がおもしろい! 2004/2/27
アメリカの有力誌「カー&ドライバー」に載った見開き広告によると・・・。

This is what RX-8 engines do on weekends.


週末になると、RX-8のエンジンがこんなことをやってんのよ。

プロフォーミュラ・マツダ・フォーミュラーカーは、0-100km/hを2.9秒で走り、最高速度は270km/h。これに搭載されているのは、2004年式マツダRX-8と同じレネシス・ロータリー・エンジンだ。高回転ローターも、6ポート・インダクション(誘導)システムも、なにもかも、まったく同じ。

 レネシス・ロータリー・エンジンが、2003年国際エンジン・オブ.ザ・イヤー賞を授賞したのも、当然だ。

 レネシス・エンジンを搭載し、超軽量カーボンファイバー・ドライブシャフト、クロスミッションの6速MTを持ったRX-8のパフォーマンスが、この世に存在するあらゆるクルマを遥かに超えているのは、なぜだろう?

 まるでレーシングカーのように9000rpmのレッドラインまで力強く回転があがる。同じパワーを発揮する他のいかなるエンジンより小型かつ軽量。そのお陰で、低く、ぐっと後部に配置できる。だから、乗員の人数にかかわらず50:50の完璧な重量配分が可能となり、レーシングカー並みのハンドリングが実現する。

 ウィークデーに毎日乗って楽しく、週末にはまた新たな楽しみをもたらしてくれるのがRX-8だ。革命(回転)をスタートせよ。英語ではStart_the_Revolutionと言うけど、Revolutionは「革命」と「回転」の2つの意味にかけているから、おもしろい。

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 ここまでがアメリカの有力誌「カー&ドライバー」に載った見開き広告。こんなふうに、RX-8とレースカーが結びつくと、走り好きに限りなくアピールすることになる。そして、いろんな可能性が見えてくる。エンジンは本当に元気に9000回転まで回るし、普通のレシプロのエンジンとは違って、その気があれば、高回転をずっと回していられる。しかも、コンパクトで軽く、それに何よりも安い。だからこそ、レースカーにはぴったり。レースに出る余裕があれば、自分のRX-8のエンジンをレースカーに載せかえるというのはちょっと極端とは言え、可能だ。

 本当の話をすれば、このエンジンは、市販車のRX-8に搭載していると、トルクが多少足りないと思ったが、レースカーに載せると、そのフィーリングは消えるようだ。最高だね。僕も乗ってみた〜い!