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2010年8月  
 あなたの保険屋さんは正義の人? 2010/8/6 

最近クルマを乗り換えたので、保険もかけ換えた。その時、いろんな人と保険の話をした。テレビでたくさん通販保険のCMをやってるけど、あまりクルマに乗らない人向けにできているので、僕の仲間では、あまり利用できる人がいなかった。通販保険の適用にならない車種や乗り方の人が多いから。それに、パンフレットを見るとあまりにたくさん書いてあって、すべては記憶できないから、「あの時、こうこうしてくれてよかったよ」というような、口コミで決める場合も多いみたいだ。

ところで、つい最近、友達Kさんがこんな話をブログに書いていた。

「妻を降ろすために停まっていたら、タクシーが後ろから来て、僕の車のフェンダーからバンパーを擦って前に止まった。気の小さそうな運転手がこちらに歩いて来て『擦っちゃったみたいで…』と言う。僕もクルマを降りて、一緒に検証。曳舟交番の目の前だったので、ハザード出していることと、僕は停まっていた、と言う事をおまわりさんに確認し、事故の手続きだけをして、ゴルフのレッスンへ・・・。ところが、翌日そのタクシー会社の事故係から電話があり、『あなたの車が動いたから、ぶつかった』と言うではないか!

そこで、僕の入っている保険の事故係(損害査定係)に来てもらい、再度事故検証。その保険屋さんは、『タクシー会社の事故係と運転手は態度が悪いし、真実を言っていない』と言う。相手と直接話していないのに。

そこで、どうしてそれが分かるのか聞いたところ、『写真を見てれば、Kさんの車は絶対に動いていないと分かるんですよ』と言う。これには驚いた!すると、そのアジャスターさんはこう説明してくれた。


こんなキズをつけられてしまった

査定係は写真をどう読むか?

「もしKさんの車が動いてたとすると、G社のロゴの外側の部分が擦れて後ろの方にまっすぐ伸び、そのまま自然には消えることはないんです。G社側の写真を見て分かります。G社の事故係の人は、オートマ車のクリープ現象で動いたと言い訳してるけど、もしKさんがブレーキを踏んだとしたら、まっすぐに自然に消えないで、擦り跡がブレるんですよ。車は沈み込むからね。それにクリープ現象じゃ、こんなに後ろから擦れないし、Kさんのフェンダーの前部分が擦れて、G車に押された跡が付くはずです。」

結局、その査定係氏は、100対0と判定したそうだ。そして、友達Kさんは、「やっぱりプロと言うのは色々と経験していて、凄い知識があるものだなあ」と感心したそうだ。もちろん、そのKさんだって、彼の道では立派なプロなんだけどね。

さあ、ここで誰が悪い?

保険は何のため?

こういう話はきっと、みなさんの周りでも聞こえて来ると思う。実は他にも僕の友達で大事故に遭ったのに、相手が補償してくれなくて、とても困った人がいる。天安門事件やボスニア戦争などの写真を撮ったアメリカ人の写真家なんだけど、東京でハーレーに乗ってて交差点に近づいた時、左側に停まっていたベンツの女性ドライバーがいきなりドアを開いたために、衝突して膝から骨が飛び出すという大怪我を負った。そのドライバーは、病院に見舞いに来た時までは、おろおろと涙を流して謝罪してた。ところが後日、彼女の保険屋が来て、「○○さんは自分は悪くないと言ってる」と告げた。そして何ヶ月も戦いが続き、友達はすっかり憔悴してしまった。骨を切って伸ばすという手術が必要で莫大な費用がかかるが、結局補償されないならと、アメリカに帰国してしまった。

ふだんは悪い人じゃなくても、「真実を言うと、自分の負担が大きくなる」ために、責任逃れをする人は、残念ながら少なくない。保険屋さんもプロとして、どっちを取るべきか、悩むのかも知れない。


 ViVaバルボーニ! 伝説のテスト・ドライバー 2010/8/20 


ヴァレンティーノ・バルボーニという名前を聞くと、まるで歴史人物のような、2輪世界王者のような、オペラ歌手のような…、女性がときめく忘れられないような名前。だから、こんな名前がクルマについても、全然違和感を感じないね。先月、東京で会ったのは、ランボルギーニの最新仕様車にその名がついた人物だ。

それは、ランボルギーニ ガヤルド LP550-2 ヴァレンティーノ・バルボーニ・バージョン。たった250台の限定生産。ランボルギーニの伝説のテスト・ドライバーに捧げられた。

バルボーニは、過去40年以上ランボルギーニのテスト・ドライバーを務めた人物。牛のイメージを持つランボルギーニの「人格」を作り上げたのは、バルボーニだったと言っても過言ではないだろう。

テスト風景 バルボー二氏が「自分」仕様の
ハンドルを握ってテストする

バルボーニは、若い時から「クルマの生命に触れる」という極めて繊細で本能的な能力を持っていた。それこそは、テスト・ドライバーとしての天賦の才能だ。そして、1967年にランボルギーニの創立者フェルッチオ・ランボルギーニに見初められる。それ以来、ミウラに始まり現在のガヤルド、ムシエラーゴまで、精密なチューニングと綿密な試乗によって、彼は各モデルの誕生に貢献してきた。

バルボーニは、1973年から同社が生みだすすべてのプロトタイプに試乗してきた。現在はアウディが生産しているので、彼の元にはドイツ人を含めて20人ほどのテスト・ドライバーがいると言う。でも、彼は同ブランドの生産するクルマの80%に試乗してきた。そして、ランボルギーニ車が顧客に渡る前に、ほとんど彼がそのステアリングを握ってきた。他のメーカーでは考えられないことだ。だから、バルボーニこそはランボルギーニというブランドのDNAであり、それによって同社は顧客とファンから絶大な評価と信仰にも近い信頼を築いてきたわけだ。

そこまでのテスト・ドライバーは世界にも類を見ないだろう。強いていえば、日産GT-Rのテストドライバーの加藤氏、トヨタのマイスター.ドライバーの故・成瀬氏位か。でも、企業の性格上、彼らだって80%は乗ってない。


バルボー二仕様車の前でバルボー二氏本人と握手

偉大な功績に敬意を表して

そのバルボーニ氏に会う事ができたのは、先月に東京・台場で開催されたコンクール・デレガンスでのことだった。会場にやって来た氏は、こんな話をしてくれた。上手な、でもたっぷりイタリア語のアクセントのついた英語でね。

「この限定生産モデルを試乗してみるように社長から言われたときは、自分の名前がつくなんて、まったく知らなかったんだ。だから、発表のわずか数カ月になって、『40年にわたる業績を表して、ヴァレンティノ・バルボーニという名前をつける』と聞いたときには、それはそれは感動しましたよ。ちょっと照れくさくもあったけどね。しかも、これは、私の好きな後輪駆動だ。性能もデザインも、強いこだわりと優れた性能をもったモデルだから、実に光栄だ。」

彼にとっては、ノーベル賞かオスカー賞生涯貢献賞に等しい評価だろう。高いステータスを誇るスーパー・スポーツ・カーのブランドが、伝説のテスト・ドライバーに捧げて、「走る喜び」そのものの1台を創る…。なんて夢のあることだろう!

ところで、大のクルマ好きで有名な、アメリカのトーク番組のホスト、ジェイ・レノのビデオを観ると、いかに彼がランボルギーニを愛し、バルボーニを尊敬しているかがよくわかる。


 100kmの渋滞、あなたならどうする? 中国の信じられない道路状況 2010/8/27 


みなさんの夏休みは無事終わりましたか? 仏教徒であってもなくても、多くの人はお盆休みをとるでしょ? 週末は高速料金が割引となったので、交通量がそこに集中したようだ。最近は日本のツイッターでもピンポイントの交通情報をやってるよね。あれは助かる。ヨーロッパでも夏のバカンス前後には民族大移動で大渋滞が起きるので、ピークはいつ、どこ、などの渋滞情報がテレビやラジオで流される。でも、休暇自体が長いので、調整がききやすいのかも。

で、今年の渋滞はだいたい30km?40km? ところで、100km渋滞と聞いたら、あなたはどうしますか?


いったい何万台が連なったんだろう。8月23日、北京へ向かう幹線道路は、100キロの渋滞。しかもそれは9日間続いたと言う。その渋滞が緩和されるのに、何と2週間もかかるという!。中国の車がどんどん増えて、渋滞も多くなっていることの象徴だね。

中国の新聞グローバル・タイムスによれば、この渋滞が起きたのは、8月14日の北京=チベット高速道路。北部とモンゴル内部を北京に結ぶ幹線だ。そしてこの渋滞の原因は、19日からメインテナンス工事が始まるため、その前に北京まで物資を輸送したい大型トラックが集中したから。

北京へのエネルギー源の石炭や、あらゆる物資のロジスティクスは基本的にトラックによる地上輸送。大都市、北京に暮らす2000万人の生活を支える物資の輸送のために、この渋滞はどんどんひどくなっている。

今年の6月7月には、すでにカタツムリ位のペースになっていたそうだ。交通量がどんどん増えるので、高速道路は傷んでいる。そこで補修工事が始まったために、渋滞はさらに悪化。この状況は9月まで続くという予測されている。中国では、最近、道路ネットワークの開発が始まったが、急激に増える交通量には、とうてい追いつかない。

ところで、その大渋滞に目をつけて商売する人たちも少なくなかったそうだ。沿線の商人が、渋滞にハマったドライバー達に水や食べ物を普段よりずっと高い値段で売り歩いたんだって。抜け目ないね!さすが、中国人。世界一の商人と言われているからね。


この大気汚染はいずれ日本にやってくる・・・

一家に一台だけ政策を!

でも、中国の交通事情は、大陸の南に位置する日本にとっては対岸の火事じゃない。空に国境はないから、大気汚染は日本を直撃する。こう言うとなんだけど、中国にはバシっとした道路交通政策をとってもらいたい。

中国は、人口をコントロールするために、 1978年に一人っ子政策を打ち出した。世界に類を見ないポリシーなので、衝撃は大きかったけど、それは緊急対策だったのだろう。だったら、「車は一家に一台」くらいラジカルな政策をとってもらわなくては、と思うんだ。すでに大都市の大気はかなり悪い。経済優先と言っても、国民の健康だって考えてもらわないとね。

北京・上海以外の都市も工業化が進んで、都市に人口が集中してくる。みんな車を持ちたいと思うだろう。でも、その光景を思い浮かべると恐ろしいと思うのは、僕だけじゃないよね。