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2004年 11月 掲載分  
新開発トヨタ・スーパースポーツ 2004/11/5 
以前から噂に上っていた、トヨタのスーパースポーツのニュルブルクリンクサーキットでの開発テストがスクープされ、大きな話題になっている。
このクルマ、前々から、トヨタのF1参戦を記念してつくるのではと噂されていたもの。このほど、その存在が確認されたことになる。

噂ではトヨタの2シーター・スーパースポーツは、V10エンジンをフロントに搭載する後輪駆動(RWD)車だとささやかれていた。しかし、テスト車からは、ミドシップ・レイアウトの可能性が強いことが推見て取れる。なぜならエンジンが本当にV10で、しかも縦置きレイアウトだとすれば、いわゆるフロントミドシップ搭載とするにしても、ノーズが短すぎるきらいがあるからだ。目撃されたテスト車のボディ後半の偽装が、車内を隠すように施されているところも、怪しまれる理由になっている。加えて、リアのサイドウィンドー付近が盛り上がって見え、おそらくその下にエアインテークが設けられていることが推測されることからもミドシップ・エンジンの可能性が高いといえる。

ボディサイズは全幅こそ1.8mを超えているが、スクープ・フォトから推測される全長はセリカ・クラス、つまり4.2〜4.3mといった感じで、同じくF1イメージをフィードバックしたエンツォ・フェラーリやメルセデスSLR、マクラーレンといったクルマたちと比べると、ぐっと小ぶりな印象を受ける。リア・ボディの下からは迫力に満ちたディフューザーがのぞき、その中央にテールパイプが3本、三角形を形づくる位置関係で配置されている。

一般公開がいつおこなわれるか、その日程はまったくもって不明だが、「早ければ来年にも」と予想する向きもある。お披露目の場は、ビジネスを考えれば、デトロイト、F1イメージを考えればジュネーヴやフランクフルトなどのヨーロッパの主要ショーということになるのだろうが、来年はわが東京モーターショー開催の年でもある。あるいは日本グランプリで発表という派手な演出があってもおもしろいが、いずれにしても当分、噂と話題には事欠かないようだ。

アルファ・ロメオGTV後継車 2004/11/12 
イタルデザインが2002年のジュネーヴ・ショーで公開し、話題となったコンセプトカー「アルファ・ロメオ・ブレラ」の量産型デビューが近づいている。そしてそのクルマはデビューしてから早や10年が経過しようとしている現行GTVの後継モデルという形で市場投入されることになる。お披露目は2005年3月のジュネーヴで行なわれると見られ、同年夏からピニンファリーナ(イタルデザインは生産設備を持たない)の工場で生産が始まる予定だ。正式車名がどうなるかは現時点ではわかっていない。

GTV後継車のスタイリングはブレラ・コンセプトをほぼそのまま受け継いでおり、車輌後部にハッチゲートを備えていることが確認できる。エアインテークの位置やヘッドライト周りの造形など“顔つき”もブレラによく似ていて、片側3個のヘッドランプがむき出しになっているところまで同じだが、量産型ではポリカーボネートのカバーで覆われる。なお、このノーズデザインは次期156にも採用されることがほぼ決まっている。

ブレラと明確に異なっている点はサンドウィンドーである。ブレラではフロント・サイドウィンドーの後ろには太いBピラーがあるのみだったが、このGTV後継車では後席用のウィンドーが新設される模様。

ブレラでは4WDとされたドライブトレーンは次期156と共用だ。つまりこのGTV後継車は基本的にはFWD車であり、オペル・ベクトラやサーブ9-3と同じ“イプシロン”と呼ばれるGMグループのシャシーが使用される。その上でQ4ネームを持つ4WDバリエーションが加わるという車種構成となる。

アルファにGMグループの汎用シャーシと聞いてがっかりする生粋のアルフィスタもいるかもしれないが、なんとこのGTV後継車はその“イプシロン”シャーシの上にスペースフレームが組まれるオリジナルな構造になるというのだ。

ベーシックなエンジンは4気筒の2.2リッター直噴ユニットで、190馬力を発生する。265馬力の3.2リッターV6と、300馬力の3.6リッターV6もあるが、後者はQ4専用となるようだ。シリーズ最強の「GTAQ4」は400馬力まで引き上げられると噂されている。もちろんスパイダーバージョンの計画もあり、こちらはメタルトップの“CC”ではなく、従来どおりのファブリックトップにとどまる見込みである。
ホンダ製スポーツカーの伝統の終焉? 2004/11/19 
英国CAR誌のレポートによれば、ホンダは次期(2代目)NSXの開発を断念したという。いや、現時点では完全に放棄したというより、凍結というニュアンスのほうが多分正しいに違いない。昨年の東京モーターショーにホンダが出品したHSCコンセプトは、そのスーパーカーらしい形を基本的にそのままに、245馬力V6をミドシップしたRWD(後輪駆動式)スーパー・スポーツクーペとして2年以内には現行NSXに取って代わる予定で開発が進められていた。しかしどうやら、ホンダの首脳陣はNSXの開発を中止することを決めたようだ。

スポーツカー・ファンならびにホンダ・ファンにとって、さらに残念なことに、ホンダはS2000の後継モデルも作る計画がなく、インテグラ・タイプRも現行モデルで終わりとなる。シビック・タイプRでさえも将来的存続が危ぶまれているといわれている。

理由?単純明快な説明をするなら、すべてはお金の問題である。ひらたく言えば、開発コストと手間ばかりかかって儲からないニッチなハイテク・スポーツモデルをつくるよりも、他のモデル、特にアメリカと中国でMPVやSUVを、作って売るほうが儲かるというそろばん勘定なのである。
さらに言うなら、ホンダにスポーツカーの開発をする(したい)エンジニアや優秀な若手がいないわけでもない。現在の経営陣の中に、どうしてもスポーツカーをという強い想いを持った人物が極めて少ないというのが真相である。NSXの開発には巨大な費用がかかる一方で、最後まで利益をもたらさなかったという事実が大きかったようだ。

そしてこの背景にあるのはホンダが80年代以降、企業として規模的に巨大になった(なりすぎた)という事実である。NSXは奇しくもホンダが大きくなる前の80年代につくられた計画である。21世紀のホンダには優先すべき課題が山積している。いまやホンダの事業は多岐に及んでいる。自動車やモーターサイクルはもちろん、ロボット、発電機、燃料電池、ハイブリッド、飛行機、船外機、などなどである。現経営陣は先進技術が投入されたホンダ製品は全世界で広く売られるもの、収益をうみだすものをというのが21世紀ホンダの基本方針であると見ている。

F1から小型車まで、ライバル、トヨタとの競争もある。利益を増やし続けなければならないという企業としての宿命もある。

しかし、あえてセンチメンタルなことを言わせてもらえば、ホンダは日本で唯一、真のスポーツカーのつくれるメーカーである。そしてNSXというクルマを思い出してほしい。NSXは、かのアイルトン・セナがシャシー・チューニングをしたクルマであり、フェラーリを大いにあわてさせ、その後マラネロ(フェラーリの聖地)に技術革命をもたらすきっかけとなった偉大なスポーツカーである。日本の唯一無二して、真のスーパーカーが存続するよう、ホンダに再考をうながしたいと思うのは、はたして筆者だけだろうか。
ケイターハム・スーパーセヴン2.3 SVコスワース 2004/11/26 
今週はこのコラム初登場となる、スーパーセヴンの最新情報をお届けする。皆さんはスーパーセヴンというクルマに関してどういうイメージをお持ちであろうか?

スーパーセヴンはスポーツカーの原型ともいうべき、軽量(不必要なものはほぼ何も付いていない)+オープン2座というクラシックでスパルタンなスポーツカーの文法と伝統をかたくなに守りながら作り続けられている希少なクルマであることには違いない。希少さから言えば、近年、買収、身売りと、苦難の道を歩み続ける名門ローバーが、今度は中国の上海汽車に買収されるというニュースが流れるなど、いまや英国資本の純英国車が少なくなる中、規模こそ小さいとはいえ、モーガンなどと並んで、純英国車であり続ける希少なメーカーでもある。

そのケイターハムから久々に意欲的な新型車がデビューする。
スーパーセヴン2.3 SVコスワース(開発コードネームCSR)は、F1スタイルのプッシュロッド式フロントサスペンション、まったく新しいインテリアと、レースエンジニアリングで有名なコスワースが開発した新型エンジンを搭載する、フルチェンジを受けたモデルである。

日本で販売されるスーパーセヴン2.3 SVコスワース ストリートのスペックは、ボディサイズが全長3300mm(従来より150mmロング)、全幅1685mm(従来より100mmワイド)、全高1140mm、ホイールベース2315mm。コスワース製2.3リッターツインカム4気筒エンジン(ベースはフォード・デュラテック・モータース製エンジン)から発揮される最高出力は270馬力(7500回転時)。推定0-100km/h加速は約3.2秒。最大トルクは27.6mkg/6200rpm。ボア・ストロークは87.5×94mm。ギアボックスはコスワース製6速MT。サスペンションはフロントがプッシュロッド式フロントサスペンション、リアがインディペンデント・ダブルウィッシュボーン(4輪独立懸架)。アルミホイールに、フロントは195/45R15、リアは255/40R15のサイズのタイアを装着。というもの。

他にも従来のチューブラー・スペースフレーム・シャーシに大幅な修正・改良が加えられた結果、ボディ剛性が25%アップするなど、セールスポイントも多い。前述のサスペンションは、フォードGTやアストン・マーティンDB9を手がけたマルチマティック社との共同開発である。価格は950万円。来年春、日本導入予定。