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2005年11月 掲載分  
  フェラーリGG50 2005/11/4 
東京モーターショーに出品された話題のスポーツカー、その2。なぜか、ブリヂストンのスタンドに飾ってあった「フェラーリGG50」をレポートする。

イタルデザインは、同社のジョルジェット・ジウジアーロ会長のデザイナー活動50周年の記念碑として自らプロジェクトを率い、製作した「フェラーリGG50」を東京モーターショーのブリヂストン・スタンドでお披露目した。なぜブリヂストン・スタンドでという疑問に対する明確な答えはないが、おそらくフェラーリのピニンファリーナへの配慮ではないかとのこと。現在フェラーリと近い関係にあるブリヂストンにフェラーリが頼んだのでなかろうかという噂だ。

さて、肝心のプロジェクトは昨秋、パリ・サロンでおこなわれたジウジアーロとモンテゼーモロ・フェラーリ会長の会談が実質上のスタートラインになっており、実現にあたりモンテゼーモロ会長から2つの条件が出されたという。@創造性に制限は設けないが、完成した車輌は誰もがフェラーリと認識できるもの。A車体はコンパクト、かつ運転して楽しいものでなければならない。というものだった。

設計が開始されたのは2005年2月で、実物大の石膏モデルが完成したのは4月。612スカリエッティのシャシーをベースとしたランニング・プロトタイプの製作は6月に始まった。ボリュームあるリアフェンダーが独特の個性を放つフォルムは、四隅が丸められているために612スカリエッティよりもコンパクトに見える。ボディ後半のスタイリングが大幅に見直されたため、実際全長は9cm短くなっているが、それでも4810mmとかなりの大柄である。ホイールベースは612スカリエッティと同値の2950mm。

またいかにもジウジアーロ・デザインらしく、実用性が高められているのもこの車の見どころといえる。具体的には、612では燃料タンクがリアシートの背後に垂直に配置されていたが、これを根本的に作り変えることによりフラットなラゲッジフロアを実現している。リアシートを倒せば、奥行きで140mm、容量で500リッター(612は240リッター)にもなるトランクスペースが得られるという。加えてこの空間を最大限に活かすために、オーソドックスなトランクリッドがハッチゲートに変更されている。さらに後席の乗降性を高めるために、リアのサイドウィンドーも連動して下がるようになっている。

ボディは一部にカーボンを用いているが、基本的にアルミ製。

おわかりの方も多いと思うが、車名の「GG」とは、ジョルジェット・ジウジアーロのイニシャルである。ジョルジェット・ジウジアーロ自身によれば、「フェラーリの伝統や個性を充分踏まえつつ、私ならではの創造性を発揮し、独自のフォルムを作り上げた」とのこと。

フェラーリのワールド・プレミア・ショー・モデルの公開に東京モーターショーが選ばれるのは、1989年(この年から幕張に移った)に開催された第28回東京モーターショーに出品されたピニンファリーナ製作のミトス以来のこと。
  NISSAN GT-R 2007年世界デビュー! 2005/11/11 
今週も、11月6日(日)に閉幕した東京モーターショーから。
カリスマ・スポーツモデル、GT-Rをレポートする。

気になるモデルが続々と登場した日産ブースで、注目度ナンバー1だったのは、当然2年後にデビューを控えた「GT-R」のプロトタイプであった。この「GT-R PROTO」こそが2007年デビューに向けて着々とカウントダウンを続けているGT-Rのコンセプトモデルである。ご存じのように日産は、2001年の第35回東京モーターショーで「GT-R CONCEPT」を出展、カリスマ社長のカルロス・ゴーン氏自らGT-Rの開発を宣言した。その2年後の第37回東京モーターショーでは、2007年に8年ぶりにフルモデル・チェンジし、正式デビューさせることを明言している。そして、今年の第39回東京モーターショーで発表したGT-R PROTOは、「市販モデルで実現されるデザインが色濃く反映されている」といわれており、生産型に限りなく近いスタイリングと言える。

新型GT-Rは、高度に開発されたシャシーに全輪駆動、全輪ステアリングを備えた、旧型よりもパワフルで速いロードレーサーに生まれ変わる。加えてプラットフォームも、他の日産モデルには使われていない新開発のものが採用される。

悩ましいのは、搭載されるパワーユニットだが、現在噂されているのはV6ツインターボか、V8エンジンである。アメリカ市場に投入することを前提に考えれば、V8と考えるのが妥当だろう。ホースパワーは400馬力を優に超えると予想される。むろん、旧型のR34スカイラインGT-Rの樹てたニュルブルクリンク・サーキットのラップレコードを凌ぐことは確実だ。

新型GT-Rは、機能性に基づいたフォルムを実現するために、従来のセダンからの派生モデルとしてではなく、GT-Rとしてゼロからデザインを起した。GT-Rのアイデンティティともいえる丸形のテールランプなど従来のイメージも踏襲しつつ、フロントに大きく口を開けたグリルはエアインテークとしての役割をデザインに示し、張り出したフロントフェンダーはタイヤまわりの空気の流れを考慮した上での形状だ。その後部にはエアアウトレットを設け、そこからリアフェンダーにかけてのボリューム感あるボディサイドに強い存在感を備えている。

ボディサイズをはじめ、エンジンのスペックや駆動方式など、主要な諸元は現時点では明らかにされていない。このクルマがスカイラインを名乗るのかどうかも定かではない。わかっているのは、新型GT-Rは初めて日産の正規ディーラーを通じて世界市場で売られるGT-Rとなることだ。

  レクサスの野望LF-A 2005/11/18 
各高級車メーカー&インポーターが息をひそめて、その成り行きを見守っているレクサスの日本上陸。彼らが戦々恐々としているにはそれなりの根拠がある。大トヨタがアメリカで生み育てたレクサスは、その信頼性とアフターサービスで、今やアメリカで最も人気の高い高級車ブランドになった。アメリカの消費者が最も信頼をおく、アメリカのJDパワー・アンド・アソシエイツが毎年行っている自動車メーカーの品質管理調査、いわゆる「ジョブ・ワン」で、レクサスは信頼性部門の最もトラブルの少なかったクルマの首位の座を11年連続で獲得し続けているのだ。ちなみにこのカテゴリーで昨年メルセデス・ベンツは27位である。レクサスにとって、他のメーカーが目標とする顧客満足度80%前後では、到底承服できず、日本市場においては100%を目指すに違いない。

そのレクサス(トヨタ)から、次々と高性能車が開発、生産される。むろん、次期セルシオ(レクサスLF-Sh)などもその1台だが、高性能車としてスポーツカー・ファンの熱い注目を浴びているのは、F1で培ったノウハウによって新開発されたV10を搭載した2シーター・スーパーカー、レクサスLF-Aだろう。今年初めのデトロイト・ショーで出品されたプロトタイプのお披露目会が先日、富士スピードウェイでおこなわれた。

信頼できる筋によると、LF-Aに搭載されるパワーユニットは5リッターのV10で、リミッターの作動する9000回転までまわる高回転型で、500馬力以上を発揮する模様。LF-AはFR車である。つまり、パワーユニットはノーズにマウントされ、マネッティ・マネリ製のパドルシフト式トランスミッションを介して、パワーがリアの送られる(全輪駆動車も考慮されている)。

では、なぜミドエンジンではなく、フロントエンジンか?それはひとえにこのクルマがレクサスであるからに他ならない。クルマの形態にかかわらず、レクサス車にはリアにゴルフバッグが2個積めるスペースがなくてはならないのだ。

このV10パワーユニット、現在ベンチテストを繰り返しているという。一時はレクサスGS450hに搭載されるハイブリッド・パワートレーンの流用も考えられていたが、カーボンファイバーが随所に使われているとはいえ、車重を考慮してハイブリッドの採用は断念した模様。スタイリングに関して言えば、デザイナーはノーズをもっとインパクトのあるアグレッシブなものにすべく修正を加えているとのこと。

最後に残った問題は、レクサス(トヨタ)がこのクルマを実際に生産販売するかどうかである。高価な少量生産車となるだけに、ビジネスとしては成り立たないことは明白であり、そのことはレクサス(トヨタ)関係者も承知している。従来のトヨタなら考えにくいことだが、業界関係者は声をそろえてレクサス(トヨタ)はつくることに踏み切るに違いないとみている。なぜなら、レクサスの勢いと今後の販売予想を考えれば、レクサスブランドのイメージブースターとしてのLF-Aは、それほど高い投資だといえないからだ。

  VW EcoRacer ライトウエイト&エコ・フレンドリー・ボクスター? 2005/11/25 
先月閉幕した東京モーターショーで注目をあびたショーカーの1台、VW EcRacerは、その名のとおり、速いが、同時に環境にやさしいスポーツカーである。フォルクスワーゲンのコンセプトカーは、ディーゼルエンジンをミドマウントし、クーペにもロードスターにもスピードスターにもなる超軽量シャシーとボディで、驚異の1リッター当たり30km近くの経済的な燃費と、最高速225km/h超を発揮する。

EcoRacerは、元VWグループ総帥フェルディナント・ピエヒの掲げた1リッターカー構想の遺産もいうべきクルマで、往年の名車カルマン・ギアにヒントを得てつくられた2003年のVWコンセプトRロードスターの兄弟ともいえる。

このEcoRacer、公式にはコンセプトカーに過ぎないが、信頼できる筋によればそのプロダクション・モデルはもう開発が始まっており、もっと一般的な素材を使い、エンジンも数種類用意される模様。早ければ2007年にもデビューすると噂されている。価格はボクスター並みで、現地価格で700万円前後。

性能もボクスター並みで、パワフルでクリーンな1.5リッター・ターボディーゼルエンジンは、新開発の燃料噴射装置とあいまって、最大出力136馬力、最大トルク25.49mkgを発揮、0-100km/hスプリントが6.3秒、最高速は230km/hに到達する模様。

このエンジンと組み合わさるのは、かのウルトラスーパーカー、ブガッティ・ヴェイロンにも採用されている、クロスレシオ6速DSGダブルクラッチ式トランスミッションで、後輪か全輪にパワーを伝達、駆動する。

むろん、このホットなパフォーマンスは、その超軽量車重に大きく依存する。シャシーとボディは頑強で、軽量のカーボンファイバー・コンポジットでつくられており、エンジンはオール軽合金、フロントのダブルウィッシュボーン・サスペンションはオールアルミ製という徹底した軽量化が図られている。その結果、剛性と衝突安全性の高い、重さ850kgのクルマとして完成されている。果してこのクルマ、従来のスポーツカーファンの心をつかめるかどうか、大いに気になるところだ。