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2010年1月 掲載分  
  スポーツカー・オブ・ザ・イヤー@スポーツカー最前線 2010/1/8
新年のご挨拶を申し上げます。皆様にとって2010年が良い年となるようお祈り申します。今年もネオストリートならびにスポーツカー最前線をよろしくお願いいたします。 さて、今年をスタートする前に、独断と偏見で昨年デビューしたモデルの中からスポーツカー・オブ・ザ・イヤーを選んでみたい。まずは以下に昨年レポートした主なスポーツカーを列挙しよう。

BMW Z4ロードスター、アストン・マーティンV12ヴァンテージ、ポルシェ911 GT3(第2世代997)、ポルシェ・パナメーラ、フェラーリ599 HGTE、ロータス・エヴォーラ、ニッサン・フェアレディZクーペ&ロードスター、レクサスLF‐A、ランボルギーニ・ガヤルドLP550-2ヴァレンティーノ・バルボーニ、フェラーリ458イタリア、ランボルギーニ・レヴェントン・ロードスター、アストン・マーティン・ラピード、マセラーティ・グランカブリオ、メルセデス・ベンツSLS AMG、ロータス・エキシージ・スキューラ、BMW M3 GTS、ポルシェ・ボクスター・スパイダー、ルノー・トゥインゴ・ゴルディーニRS、メルセデス・ベンツEクラス・カブリオレ。

ポルシェ・パナメーラ
フェラーリ458イタリア
レクサスLF‐A

お気づきのように日本車は2台、あとはすべて欧州車である。エコ車でなければ乗るに値しないというような風潮のはびこる堅苦しい日本に比べ、自動車の生まれたヨーロッパの人たちのモータリングライフは何と自然体で大らかなことか。うらやましい限りである。

それはさておき、この中からスポーツカー・オブ・ザ・イヤーを選ぶとすれば、最終選考に残るのは、まっさらなスポーツカーであるポルシェ・パナメーラ、フェラーリ458イタリア、レクサスLF‐Aの3台といえよう。しかし純粋な意味でのスポーツカーと言うことであれば、たとえポルシェらしい完成度と性能の高さを誇るクルマであっても、4ドア・スーパースポーツサルーンのパナメーラははずさざるをえない。残るはLF-Aか458イタリアだが、500馬力5リッターV10ユニット搭載のLF-Aよりも、1380kgのボディに搭載された高回転型自然吸気式4.5リッターV8ユニットから570馬力を発揮する458のほうがはるかに軽快で速いスポーツカーだと言える。したがって458イタリアを当「スポーツカー最前線」の選ぶ2009スポーツカー・オブ・ザ・イヤーとしたい。

■今週のおまけ:アウディA7

アウディのA7の路上テストがスクープされ話題になっている。A7はA6のハッチバックバージョン、5ドア・スポーツサルーンで、A6サルーンの上級モデルにあたり、メルセデス・ベンツCLSをターゲットに開発されたモデルでもある。アウディのA6、A7、A8がメルセデスのEクラス、CLS、Sクラスに相当する。

まずA7が今年夏にデビューして、新型A6は遅れて2011年初めにデビューする。エアサスペンションが標準装備で、エンジンはガソリンが2.8リッターV6 FSI、スーパーチャージャー付き3リッターV6、4.2リッターV8の3種類、ディーゼルが2.7リッターV6、3.0リッターV6(いずれもターボ付き)の2種類で、MT、AT、ならびにデュアルクラッチ式ギアボックスと組み合わされる。ハイブリッドバージョンの開発デビューも2011年に計画されており、Q5に使われる電動モーターと三洋製バッテリーが採用される模様。将来的にはハイパフォーマンスモデルのS7やモンスターモデルのRS7の開発も視野に入っている。
  プジョーの新しい風:SR1コンセプト 2010/1/15
ルノーメガーヌCC
ルノーがリリースした新型メガーヌCC(クーペカブリオレ)のチラ見せ画像です。
■新チーフデザイナー就任

PSAプジョー・シトロエン社は、1月4日付けでジル・ヴィダル(Gilles Vidal)がプジョーの新しいチーフデザイナーに就任したと発表した。最近のプジョー車のデザインに対する不評を一新するための人事だ。

フランス車といえば奇抜で斬新なデザインで世界に知られている。三大フランス車メーカーのうち、ルノーには鬼才パトリック・ルケモンがおり、彼の指揮下でアヴァンタイム、トゥインゴ、クリオ(ルーテシア)、カングー、メガーヌといった人気&ヒット商品が次々に生まれた。一方のシトロエンも、デザインディレクター、ジャン・ピエール・プルエによるデザイン刷新が奏功し、代表作C6や、一連のピカソモデル、C3、そして近々デビューする予定のDS3といったモデルを世に送ることによってシトロエンのイメージアップに貢献してきた。

プジョーも過去には504クーペや205、そして406クーペといった秀逸なデザインのクルマで人気を博した時期もあったが、最近はプジョーデザインに対する評価はポジティブものよりネガティブなもののほうが多いようだ。今回のチーフデザイナー交代劇はまさにプジョーがデザインを新しい方向へと転換させようという意志の表れといえよう。PSAプジョー・シトロエン社の発表した文章の中にも「2つのブランドが明らかに異なるゴールを追及する」という表現があってそのことを裏付けている。新チーフデザイナーのヴィダルはプジョーのコンセプトカー造りに長年携わってきた。

■新着オフィシャルフォト:プジョーSR1コンセプトカー

まさにそんなプジョーデザインの変化を告げる1台のコンセプトカーが発表されオフィシャルフォトがリリースされた。もしこのコンセプトモデルがどこから見てもプジョーらしくないと思われるなら、プジョーの思うつぼで、これこそプジョーのデザインが全面的生まれ変わったということを印象付けるためのデザインである。
PeugeotSR1 PeugeotSR1

PeugeotSR1 PeugeotSR1
新型プジョーSR1は2+1モデルのコンセプトカーで、アストン・マーティンV8ヴァンテージを凌駕すべく開発されるロードスターだという。むろんプジョーは真剣そのものである。と同時にこのコンセプトカーは、407クーペの後継モデルや近い将来デビューが予定されるRCZクーペのヒントにもなりえることも新チーフデザイナー、ヴィダルは示唆している。たとえば細目のヘッドランプや小さくまとまったグリルといったSR1のフロントエンドなどは今後2年の間にデビューするモデルに大きな影響を及ぼすであろう実用的なデザインとなっている。

SR1はガソリン+モーターのハイブリッド車で、220馬力1.6リッター・ターボと100馬力電動モーターで後輪を駆動する。CO2の排出量は119g/km、燃費はリッター約20.5km。このハイブリッド4システムは2011年からの生産モデルに搭載されるもので、トップバッターはプジョー3008となる。しかしここでの主役はそのハイブリッドシステムではなく、プジョーの新しいデザイン言語である。

インテリアには2つのフロントシートとリアの中央に残りの1シートがレイアウトされている。フロントシートのアームレストは前後に移動可能で、リアシートのレッグスペースを稼げるようになっている。レザーとアルミとブラックニッケルコーティングをふんだんに使ってクールに仕上げられている。しかしエクステリアに比べ、インテリアは生産化には遠いようだ。

SR1は近く(ジュネーブ?)ショーデビューする予定。今後のプジョーが注目される。
PeugeotSR1 PeugeotSR1
  最高性能Z4デビュー:BMW Z4 sDrive 35is 2010/1/22
デトロイトショーが先週末開催された。BMWはショー会場でZ4の高性能バージョン、sDrive 35isを発表した。現時点では最も速いZ4の誕生だ。

Z4 sDrive 35isは既存のミュンヘン(BMW)製直列6気筒エンジンを最高出力340馬力+最大トルク45.99mkg(1400-4500rpmレンジで使用可能)にまでスープアップしたものを採用している。馬力は標準型のsDrive35iよりも35馬力アップ、よりフラットになったトルクカーブと併せて、パワフルで扱いやすいパワーユニットとなった。さらにこの6発エンジンはBMWの開発したパドルシフト型7速ツインクラッチ式ギアボックスに組み合わされ、リアホイールをドライブする。
BMWZ4_35iS

BMWZ4_35iS
さりげないボディの改良も受け、よりスポーティに変身している。Mエアロダイナミクスパッケージを施され、18インチ軽合金ホイール(19インチはオプション)を履き、車高は10mm低くなり、前後にも新しいバンパーが採用されている。価格アップに対するいかにもドイツ流のお色直しであると言えよう。

追い越しのために備わった瞬間的オーバーブースト機能を駆使することによって一時的に最大トルクは51.12mkを発揮、Z4 sDrive 35isは静止状態から時速100kmに達するまでわずか4.8秒しか要さない。一方、トップスピードはいつものように自主規制の155マイル(約250km/h)でリミッターが作動するよう設定されている。

CO2排出量は210g/km、平均燃費はリッター11km強とスポーツオートマティックトランスミッションを搭載した標準型のZ4 sDrive 35iと同じ数字となっている。
BMWZ4_35iS

BMWZ4_35iS
軽快な2シーターロードスターという評価を持つZ4だが、先代に比べスポーティさに欠けるという批判がある。より完成度が高くなった現行Z4は、ちょうどメルセデス・ベンツSLKのような、より大人のクルマとして仕上げられたと言えよう。

その批判に応え得るのがスポーティさに重点を置いたsDrive 35isだろう。ローンチコントロール機能、Mスポーツサスペンションパッケージ、さらにはドライビングスタイルに合わせてエグゾーストノートを調整できるスペシャルフラップまでエグゾーストシステムに備わっている。

この春にもショールームに並ぶ予定のDrive 35isを超えるMスペックZ4の登場も近い将来予想されるが、それまではこのsDrive 35isが最も速くスポーティなZ4として君臨する。
BMWZ4_35iS
  NSXのDNA:Honda HSV-10 GT 2010/1/29
HondaHSV-10GT
「クルマ好き、必ずしもレース好きにあらず」とはよく使われる言葉だが、実際にレースに関心のないスポーツカーファンも少なくない。事実、フォーミュラーカーのフォルムが現実離れしているとか、ルマンカーのようなプロトタイプは実用的でないとかの理由でなじめない人もいる。そういう人は、より近しい存在として生産車に近いカタチをしたGTカーやラリーカーを好む傾向があるようだ。

HondaHSV-10GT
ちなみにネオストリートの「スポーツカー最前線」としては、パワフルなエンジン(モーターもあり)を搭載していて、贅肉を削ぎ落とした(美しい)フォルムをまとい、走る、曲がる、停まるという3大性能に優れたすべてのクルマをスポーツカーとして広義に解釈すると同時に、それらのクルマに敬意を表し、レポートすることをモットーにしている。

それはさておき、今日ご紹介する1台は、ホンダが2010年のスーパーGT500クラスに投入するHSV-010 GTだ。このクルマは何を隠そう、初代NSXの後継となる予定だったが景気悪化のあおりを受けて開発が中止されたモデルをベースに開発されたレーシングカーである。したがってHSV-010 GTはフロントエンジンのままだが、当初二代目NSXに載せる予定だったV10エンジンは、元々フォーミュラ・ニッポン用に開発された自然吸気+ドライブサンプの3.4リッターV8に取って替えられた。フリクションや燃焼効率の改善、吸排気系を最適化し、スーパーGT仕様に改良、500馬力超のパワーと少なくとも40.03mkgのトルクを発揮する。車重は約1100kg、サスペンションは前後ともにダブルウィッシュボーンで、ステアリングホイールにマウントされたパドル式クラッチで後輪を操作する。初代NSX同様、究極のコーナリングマシーンを目指して開発されたクルマである。ちなみにHSVとはHonda Sports Velocityを意味する。モータースポーツの原点である速さを追求し、名づけられたとのこと。

さて、「ドライバーの視界を検討しながら採用した」というフロントウインドーのV字パイプが特徴的な、この迫力のあるスーパーマシーンのロードゴーイング(公道用)バージョンがいつの日か開発されることはあるのだろうか?100台限定とかで作れば売れるだろうし、世界中で評判となるであろう。しかし惜しいかな、ホンダは現時点ではその可能性についてきっぱりと否定している。
HondaHSV-10GT
HondaHSV-10GT

HondaHSV-10GT
HondaHSV-10GT
2010年のスーパーGT500クラスにHSV-010 GTでエントリーするチームおよびドライバーのラインナップは以下の通り。

    ・No.8 ARTA(ラルフ・ファーマン/井出有治組)

    ・No.17 リアルレーシング(金石年弘/塚越広大組)

    ・No.18 童夢レーシング(小暮卓史/ロイック・デュバル組)

    ・No.32 ナカジマレーシング(道上龍/中山友貴組)

    ・No.100 チームクニミツ(伊沢拓也/山本尚貴組)

たまにはサーキットへ足を運んで、レースを楽しみながら、実際に走るHSV-010 GTを見るというのも悪くない気がしますが、いかが。