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2010年3月 掲載分  
  ジュネーブショー速報 2010/3/5
◆ポルシェの次期スーパーカー発表:Porsche 918 Spyderコンセプト

今週末から始まるジュネーブショー開幕の前日、ポルシェは電撃的なかたちで新型918スパイダーのコンセプトカーをプレスと関係者に披露した。ミドエンジン2シーターのオープンモデルは、現行ポルシェのフラッグシップ、カレラGTの後継となるモデルだ。ポルシェの象徴となるスーパーカーで、ポルシェの最新テクノロジーが注ぎ込まれたショーケースモデルでもある。

最大の衝撃は、ポルシェの新社長、マイケル・マクトがスイスで除幕した918スパイダーがパートタイムハイブリッド・スーパーカーだという事実だ。

918スパイダーはスーパーカーでありながらCO2排出量がたったの70g/kmで、プラグイン式ハイブリッド稼働中の燃費はリッターあたり33.3kmという驚異的なもの。それでいてニュルブルクリンクサーキットを7分30秒でラップしてしまう凄まじさである。
ポルシェ918スパイダー

ポルシェ918スパイダー
搭載するリチウムイオン電池は電力のみで25km間、918スパイダーにパワーを与えつつ前輪を駆動する一方、ミドにマウントしたエンジンは従来通り後輪を駆動する。

そのエンジンは3.4リッターV8で、160kWの電力を生み出す3基のモーターによって、500馬力をゆうに超えるパワーを発揮する。

ポルシェのセオリーによると、GT1レースカーがGT1ロードカーとなり、中止になったLMPプロジェクトがカレラGTとなったと同様、今回はRSスパイダーLMP2レースカーが918スパイダーへと変身したことになる。

◆1000台限定高性能モデル:Citroen DS3 Racing

過去10度WRCラリー選手権のワールドタイトルに輝くラリーの雄、シトロエンがMINIクーパーSワークスに対抗して1000台限定生産でのレーシングバージョン、DS3レーシングを今週末開幕するジュネーブショーで発表する。シトロエンC3をベースに開発されたこのシトロエン製プレミアム・スーパーミニは、来期のWRCでクリスチャン・ローブのドライブするマシーンのヒントとなるモデルでもある。

ベースは生産型C31.6リッターTHPで、レーシングバージョンはターボ、エグゾースト、そしてエンジンマネージメントシステムがチューンされ、パワーが150馬力から200馬力へとブーストアップ、トルクも3.60mkg増えて28.12mkgまでアップ。動力性能値に関する公式なアナウンスはまだないが、生産型HTPの0−100km/h加速が7.3秒であることから、6秒台前半の数値が予測される。
DS3Racing

DS3Racing
シャシーもむろん強化されており、車高は15mm低く、車幅は30cmワイドになって精悍さを増した。当然足周りにも強化が図られ、スプリング、ダンパー、ESPシステム、そしてブレーキなどに手が入れられている。

オレンジに塗られたルーフ、ミラー、グリルと18インチホイールが通常のDS3ではなく、レーシングバージョンであることの証しだ。

ご覧のように、シフトノブとその周辺、そしてダッシュボードと、キャビンもオレンジ色が支配し、強いアクセントを与えている。

生産開始は今秋。価格は現地で270万円前後。シトロエンとしてはこのモデルで強くアピールすることにより、サクソVTRやVTSの生産中止とともに失ったヤングドライバー層の関心を惹きたいという。

  フェラーリ対ランボ@ジュネーブショー 2010/3/12
緑と緑の競演である。フェラーリとランボルギーニはそれぞれにジュネーブショーにショーカーを出品したが、示し合わせたかのように、どちらも緑。しかしその内容は対照的なものとなった。

Ferrari599Hy-Kers
◆フェラーリ初のハイブリッド:Ferrari HY-KERS hybrid

フェラーリのショーカーがグリーンカラーをまとっていたというのは記憶にない。おそらく史上初のことではないだろうか。

フェラーリはジュネーブショーで599GTBフィオラノのハイブリッドコンセプトカー、HY-KERSを発表した。2007年にミッレ・チリ・コンセプトとともに5年計画のエコプロジェクトを発表したが、HY-KERSはその最新のショーケースモデルで、フェラーリとしては、好燃費とシャープな性能の両立が可能なことを世に問う意欲作といえる。

HY-KERSはハイブリッドシステムであるため、標準の599V12モデルよりも車重は若干重くなっている。フラットなかたちのリチウムイオンバッテリーはフロアパンの下に装着されるなど、重心は標準モデルの599より低くなっているとのこと。フェラーリによれば、減量を可能にしているのは、モーターやジェネレーターやバッテリーの重さを、従来型のスターターとバッテリーを取り除くことによってオフセットしたことによる。フロントのエンジンは、599と同じ6.0リットルV型12気筒を搭載、7速デュアルクラッチF1トランスミッションとともに、リア部分にモーターをレイアウト。HY-KERSはモーター単独、エンジン単独、エンジン+モーターの3つの走行モードを備える。駆動方式はFRのままである。

新開発のHY-KERSシステムは、スタートと追い越しの時の加速をアシストするエクストラパワーを瞬間的に供給するようにできている。一方で、減速時にはモーターがジェネレーターを回して、発生した電力をバッテリーに蓄える回生ブレーキが採用されており、この技術は09年のF1マシーン、F60に導入された「KERS」(キネティック・エナジー・リカバリー・システム)で培ったもので、モデル名もここに由来する。小型で強力な電動モーターの重量は40kgで、パワーは7速デュアルクラッチF1式トランスミッションを介して伝えられる。この電動モーターによって生み出されるエクストラパワーは約100馬力。

現時点で市販計画はないものの、フェラーリのエコプロジェクトのシンボルとして生産型が作られる可能性は高い。
Ferrari599Hy-Kers

ガヤルドLP570-4スーパレッジェラ
◆緑の野獣:ランボルギーニ・ガヤルドLP570-4スーパーレッジェラ

画像のグリーンモンスターはジュネーブショーの前夜、VWグループのパーティで発表された新型ランボルギーニ・ガヤルドLP570-4スーパーレッジェラである。

0−100km/h加速がたったの3.4秒、3つ数えるうちに静止状態から一気に時速100kmまで加速するというわけだ。時速200kmまでは10.2秒、そして最高時速の325kmに達する。参考までに記せば、旧型LP570-4スーパーレッジェラの0−100km/加速は3.8秒、LP560-4は3.7秒だった。

LP570-4は四輪駆動+570馬力(ps)を意味する。そしてLPは‘longitudinale posteriore’を略したもので、他のガヤルドのモデル同様、エンジンがドライバーの後ろに縦置きされていることを示す。

パワーはLP560-4ガヤルドに比べて控えめの10馬力アップというものであっても、8000回転から570馬力という強烈な力を発揮する。570馬力ということは、このドライサンプ式V10パワーユニットがリッターあたり約110馬力のパワーと、6500回転時に55.13mkgという太いトルクを生みだすということになる。驚くべき偶然かもしれないが、前述の新型ランボルギーニ・ガヤルドLP570-4スーパーレッジェラの動力性能の0−100km/h加速タイムは、フェラーリ459イタリアのものと全く一致する。
ガヤルドLP570-4スーパレッジェラ

しかしエコロジー的に見れば、Eギアの装着されたLP570-4スーパーレッジェラのCO2排出量は319g/km、根平均燃費は7.4/ℓ、MTバージョンでCO2排出量は344g/km、平均燃費は6.9/ℓという平凡以下の数字であるが、それでも現行の5リッターバージョンのスーパーレッジェラに比べれば20.5%の改善だとランボルギーニは主張する。性能面の改善は新規導入の直噴エンジンに負うところが大きい。

ガヤルドLP570-4スーパレッジェラ
スーパーレッジェラ(superlightという意味)というからには、当然減量面でも改善されているわけで、LP570-4は標準モデルよりも70kg軽い1340kgに仕上がっている。この軽量化には、サイドとリアウィンドーへのポリカーボネイト採用、サイドシル、リアディフューザー、スポイラー、ドアミラーケーシング、アンダーボディパネルのカーボンファイバーの採用、そしてトランスミッショントンネル、アルカンタラがトリムされたシートのフレームへのカーボンの採用が大きな役割を果たしている。
  ベンツ対BMW対アウディ:スペシャルモデル三様 2010/3/19
@S63AMG用新型V8ツインターボエンジン誕生

メルセデスは新型ツインターボ付き5.5リッターV8エンジンを公開した。SLSガルウィングAMGと同じ571馬力(@5500rpm)を発揮、トルクはSLSの66.35mkgをはるかに凌駕した91.84mkg(@2500〜3750rpm)という、とてつもないもの。ちなみにこのパワーユニット、新規に開発されたもので直噴式(5461cc)5.5リッターV8エンジンで、アルミ製クランクケースと2基のターボチャージャーを有する。標準モデルは550馬力(@5500rpm)+81.73mkg(@2000〜4500rpm)を発揮、これがAMGのPP(パフォーマンス・パッケージ)を選択すれば前述のものすごい数字へとアップする。
S63AMG

S63AMG
動力性能は0−100km/h加速が標準で4.5、AMG PPモデルで4.4秒。標準モデルでは最高時速は250kmに制限されているが、AMGに頼めば303kmにまでアップさせることができる。むろんメルセデスのこと、旧型よりもエコなエンジンに仕上っていて、このパフォーマンスでありながら、平均燃費はリッター当たり9.5km、CO2排出量は246g/kmと旧型エンジンをそれぞれ25%と28.5%向上している。

今年中のデリバリー開始予定だが価格は現時点では未定。

AV8エンジンZ4

BMWはM3用の4リッターV8ユニットを積んだZ4 GT3を発表した。といってもこれはV8 Z4のロードゴーイングバージョンではなく、レース用のスペシャルモデルだ。市販用Z4のトップモデルはsDrive 35iSのままである。Z4 GT3はその名が示すようにFIA公認GT3選手権を含む欧州のレースに参戦する顧客向けに作られたレーサーである。
BMWZ4GT3レーサー

BMWZ4GT3レーサー
BMW最高モデルと評されるM3のV8をロングノーズZ4のボンネットに移植した。ECUとコントロールユニットはM3のGT2スペックと同じもの。加えてレーシングエグゾーストが与えられている。パワーは420から485馬力程度までにアップされており、トルクも40.86から46.96と、より一層太くなっている。

BMWZ4GT3レーサー
あとはお馴染みのレーシングチューンが施されている。レース用6速シーケンシャルギアボックス、後輪駆動、調整機能付きダンパー、ブリスターフェンダーに代表されるボディワーク。そして、よりワイドなトレッド、リム、スリックタイア、フロントスポイラー、でっかいリアウィング、巨大なディフューザーが空力特性を向上させる。徹底的なダイエットで車重は1200kg(35iSは1525kg)へと軽量化。今年の夏から販売開始。価格は現地で4400万円前後。

Bスーパーアウディ、RS5誕生

画像は今回のジュネーブショーデビューしたアウディのA5レンジトップモデル、RS5だ。
RS5 RS5

RS5
アウディのクーペ、A5ベースのRS5は直噴式4.2リッターV8自然吸気エンジンを搭載、450馬力(@8250rpm)の最高出力と、4000から8000回転という広域で43.91mkgもの最大トルクを発揮する。全輪駆動クワトロシステムとクイックシフトのSトロニック・デュアルクラッチ式ギアボックスを装着、0-100km/hを4.6秒でダッシュする。標準モデルでは最高時速は250kmに制限されているが、オプションで280kmにまでセッティングを変更できる。クワトロシステムによるノーマル走行時の前後トルク配分比は40:60だが、新開発のクラウンギアセンターデフによって30:70にまで変更できるようになっている。オープンカーバージョンのRS5も開発計画にあるようだ。RS5の現地価格は800万円前後。早ければ今年の夏からデリバリーが開始されると想定される。
  フルスペック明らかに:McLaren MP4-12C 2010/3/26
先ごろ英国バークシャイア州ウォーキングに在るマクラーレン・オートモーティヴのヘッドクオーターで、マクラーレンの次期市販型スーパーカー、MP4-12Cのお披露目があった。開発中はコードネーム「P11」として知られたこのスーパーカー、鬼才ゴードン・マーレイが作り、伝説へと進化したかのロードゴーイング・マクラーレンF1以来となるマクラーレン独自開発のモデルである。新型車を覆ったヴェールを剥いだのはマクラーレンF1チームの2人のワールドチャンピオン、ルイス・ハミルトンとジェンセン・バトンだった。
MclarenMP4-12C

MclarenMP4-12C
2人は今月初め、プロトタイプをグッドウッドサーキットでテストしており、それぞれにコメントを述べている。バトンはレーシングドライバーとした、MP4-12Cのパワー、グリップ、そしてスタイルの3つの要素が気に入ったとのこと。しかしもっとも感銘を受けたのは軽量化によるMP4-12Cの挙動の軽やかさとしなやかさだったと述べた。ハミルトンはハンドリングと乗り心地をほめる。特に12Cの、ストレートはソフトで、コーナーに入るとサスペンションが固くなり、グリップが増すようにできていることを挙げた。

お披露目では彼らのコメントとともにMP4-12Cのスペックがすべて明らかにされた。

ちなみにそのハイライトをリストアップすると、

●マクラーレンMP4-12CはマクラーレンF1やSLRマクラーレンに続くハイパフォーマンス・ロードゴーイングカーである

●シャシーには、1993年にマクラーレン自身が初めてF1マシーンに採用した、カーボンファイバーを多用。カーボン・モノセル(Carbon MonoCell)と称するMP4-12C用シャシーが、カーボンファイバーを接着し組み立てたコンポジット構造である他のスーパーカーと異なり、1個の塊からなる構造物であることを強調。世界初となるフルカーボンファイバー製タブも採用(重量わずか80kg)

●価格は175000ポンド(約2450万円)以下で、発売は2011年の初旬予定

●ボディサイズ(全長×全幅×全高):4507×1908×1199mm

●エンジン:3.8リッター・ツインターボ'M838T’V8ユニット(レヴリミット8500回転)

●最高出力:600馬力@7000rpm

●最大トルク:61.23mkg@3000rpm(うち80%のピークトルクは2000回転以下で発生)

●CO2排出量:300g/km以下

●乾燥重量:1300kg以下。フレームにはアルミ、ボディパネルにはプラスティックが使われ、燃料満タン状態でもフェラーリ458イタリアより軽い

●前後車重配分:43:57

●加速性能:0-200km/h加速10秒以下

●最高時速:320km/h以上

●標準装備のブレーキは強化アルミ製ハブによって8kg軽量化されている。これはオプションのカーボンセラミックブレーキよりも軽い

●ラジエターは効率的冷却を目的にエンジンのすぐ脇のリアにマウント

●マクラーレンはV8スーパーカーのマーケットシェア4%(年間1000台販売)獲得を目標

●ツインクラッチ式シームレスシフトギアボックスは、ノーマル、スポーツ、オートマティック、ローンチコントロール、そしてウィンターの5モードを設定

●MP4-12Cという名は、栄光のマクラーレンF1マシーンに与えられたMP4(マクラーレン・プロジェクト4)の12番目となるモデルで、最後に付いたCの文字はカーボンという意味
MclarenMP4-12C
 
MclarenMP4-12C
 
MclarenMP4-12C